食品ロスって、どうやって減らせばいいの? | 認定NPO法人 環境市民

食品ロスって、どうやって減らせばいいの?

このコーナーでは、ウェブやメールマガジンの企画運営を行っている「電子かわら版チーム」メンバーのコラムを紹介しています。一緒に企画運営をしたいボランティアも随時募集中です。関心のある方は京都事務局まで。

年間の食品ロスが600万トンといってもピンと来ないかもしれませんが、
一人当たりに換算すると約47キログラムで、
一人当たりの年間コメ消費量(約54キログラム)に匹敵するといえば、
どれほど多いか実感できるのではないでしょうか。

とは言え、
「食品ロスのほとんどは食品会社やレストランが排出しているじゃないの?」
と思われる方がいるかもしれません。
しかし、平成30年度の食品ロスのうち家庭から発生した量は276万トンで
全体の半数近くだったことを考えると、
家庭にも大きな責任があると言えます。

食品の製造過程を考えてみると、
栽培や漁労、加工、流通などの
様々な段階で電気や水が使われるとともに、
多くの人々が働いています。

したがって、食品ロスが発生する場合、
本来必要でなかった環境負荷やコストも発生することとなり、
そのツケは温室効果ガスの増加や食品単価の上昇という形で現れます。
逆に、もし、食品ロス分を世界中で飢餓に苦しむ人々に
上手く配分できたなら、多くの命が救われるはずです。

そこまで深く考えなかったとしても、
一人当たりで年間コメ消費量に匹敵する食品ロスを発生させるなんて
単純にモッタイナイ!
小さい子から、
「ねえねえ、大人はどうしても食べ物をたくさん無駄にしているの?」
と尋ねられたら、ぐうの音も出ません。

家庭での食品ロス削減としては、例えば、
買い物に行く前には献立を考えて買い足さないといけない食品を
チェックしておく習慣をつけたいものですし、
冷蔵庫をゆっくりチェックする暇がないという方は
冷蔵庫内の写真を撮っておくだけでも無駄な買い物を減らせます。
外食するとき、小食の方は小盛をオーダーしましょう。
宴会のとき、一定の時間は最初の席に座って食事を楽しみ、
お店の方が許してくれるなら残った料理は持ち帰りましょう。

こうした取組を、個人だけでなく、
協働して社会全体で取り組まなければ大きな効果は生まれません。

そして、最後になりましたが、
食品ロス削減のためにもっとも基本的で大事なことは、
生産、流通、調理に関わった方や自然に感謝して、
好き嫌いなく、残さず食べるということだと思います。
(くらげ)

<執筆者紹介>
ペンネーム:くらげ
小さい頃から、曲線に心惹かれています。
海も空も曲線が美しい。
曲線が持つ無限のバリエーションはすばらしく、変化する様子を見るのは飽きません。
曲線への興味を通じて、気候について勉強したような気がします。
いつまでも、きれいな曲線を残したい。