鳥と人との暮らしに思う:50年後の沈黙の春 | 認定NPO法人 環境市民

鳥と人との暮らしに思う:50年後の沈黙の春

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日本鳥学会2014年度大会、および
第26回国際鳥類学会議(IOC)に、
参加してきました。

世界各国から、研究者たちが、
膨大なデータを元に発表をする。
朝は八時半に始まり、夜十時まで。
それは濃い大会でした。

アフリカに渡ってくる鳥の中には、
減っているものもあれば、
逆に増えているものもある。

などという、
嬉しいような、悲しいような、
話もありました。

今回、一番ショックだったのは、
鳥の身体の汚染の話でした。

アフリカの黒コウノトリも、
欧州の海ワシも、
ここ二年くらい、急激に、
農薬の汚染が進んでおり、
卵の孵化率が落ちている。

沈黙の春の50年後のアメリカも、
鳥への全く汚染は減っていない。

いずれの原因も、
今もまだ、同じ農薬を使っているからなのか、
違う農薬の影響なのか、
それはわからないということでした。

そういうことを調べるのは、
また、別の研究になってしまうそうです。

望むと望まざるにかかわらず、
農薬という現実があって、
それはもう世界中のいたるところで、
蓄積されています。

しかし、諦めることなく、
減らす努力をしなければ、
鳥たちと同じように、
私たちの身体も、確実に蝕まれていくのは、
ほぼ間違いないということです。(ち)