吉野川(中) | 認定NPO法人 環境市民

吉野川(中)

このコーナーでは、ウェブやメールマガジンの企画運営を行っている「電子かわら版チーム」メンバーのコラムを紹介しています。一緒に企画運営をしたいボランティアも随時募集中です。関心のある方は京都事務局まで。

吉野川の広大な河口は、カニや貝などが息づく干潟が広がり、
多くの渡り鳥が飛来する大きな中洲もあり、雄大な自然を感じることが
できるスポットです。しかし、同時に多くの開発が進められてきました。

河口のすぐそばにあった海水浴場は、埋め立て工事で1989年に閉鎖され
ました。海が遠浅で砂浜が広かったそうです。

また吉野川にはたくさんの橋が架けられています。戦前に作られた
「吉野川橋」、1972年と2012年にそれぞれ開通した「吉野川大橋」と
「阿波しらさぎ大橋」に加え、「四国横断自動車道」という高速道路の橋
が来年着工予定です。この新しい橋はまさに川と海の堺のすぐそばに建設
予定で、この自動車道が完成すると吉野川河口のわずか5kmほどの間に
4本の大きな橋が架かることになります。

これからはどこから吉野川の河口を眺めても、巨大な橋が風景に入り込む
ことでしょう。

今はなき吉野川の風景に思いを馳せながら、そしてこれから失われていく
だろう現在の風景を惜しみながら、あるがままの吉野川の魅力を活かした
新しい“開発”が実現される日が、いつか来ることを願ってやみません。

(ともねん)
プロフィール: 学生時代にフィンランドに交換留学。徳島の田舎で仕事
づくりを実践中。