参考事例の宝庫 市民活動の未来を拓くセミナー第1回報告 | 認定NPO法人 環境市民

参考事例の宝庫 市民活動の未来を拓くセミナー第1回報告

このコーナーは,2002年から2013年まで環境市民の事務局長を務めた堀孝弘が,在職時に書いたブログを掲載しています。

市民活動の未来を拓くセミナー 第1回「事業者の協力を引き出した事例」報告

市民による環境活動は、ある面盛んになり、ある面岐路に立っているようにも思えます。先進的な活動が生まれている一方、活動層の固定や高齢化に悩んでいる団体も多く見ます。また、「活動が地域に広がらない。」「事業者の協力が得られない」などの声もよく聞きます。「市民活動の未来を拓くセミナー」は、このような状況を踏まえ、環境活動を実践している市民団体等(これから実践しようとする人や事業者団体を含む)の活動内容のステップアップ支援、および、中間支援組織や地方自治体担当課による市民団体支援充実への寄与を目的に実施しています。

全3回実施し、各回テーマを決め、そのテーマに即した先行事例実践者を招き、それぞれの成果や、活動実践に至るプロセスなどを話してもらいました。

第1回のテーマは「地域の事業者の協力を引き出した事例」
開催日時は、2012年9月20日(木)13時から16時30分まで。京都駅前の「キャンパスプラザ京都」で開催しました。
報告者は下記3名の方々で、それぞれの下記テーマでお話いただきました。

□福井市くらしの会 会長 豊嶋美代子さん
福井市内で、16事業者163店のレジ袋無料配布停止を実現したプロセス
□NPO法人 ごみじゃぱん事務局長 小島理沙さん(神戸大学非常勤講師)
「減装(へらそう)商品」のコンセプトと、事業者等の理解と協力を得て広めた経験
□NPO法人 日本ワンディッシュエイド協会 樽井雅美さん
ケーキ店などに、リユースカップ導入を進めた想いと成功の秘訣

 

福井市くらしの会 会長 豊嶋美代子さんの報告
福井市内で、16事業者163店のレジ袋無料配布停止を実現したプロセス

(報告者 堀 孝弘)
豊嶋さんは環境活動だけでなく、多くの社会活動に取り組まれているが、環境活動は昭和52年(1977年)から現在まで35年継続されている。以下、豊嶋さんの報告から。

レジ袋削減の取り組みは活動の開始当時から続けている。レジ袋削減の取り組みは、スーパー本社への個別訪問では良い感触が得られることが多い。しかしながら、市内主要各店の店長を招いた懇談会で、「レジ袋無料配布停止」が議題に出ると、現場の店長は慎重な姿勢をとることが多い。そのようななか、1人が、例えば「万引きが増える」など、後ろ向きの発言をすると、次々にそれに倣う発言が続き、「やらない」という流れが作られてしまう。

このような場合、「数字」を示すことが大切。消費者は本当に、レジ袋の有料化(無料配布中止、またレジ袋代、別途払い)を嫌がっていて、レジ袋を有料化にすると他の店に行ってしまうのだろうか。実際に市民向けアンケートを実施して、消費者の意識調査を実施した。
アンケートは1997年にも市民1,000人を対象に実施したが、2002年以降2008年まで7年続けて、毎年7月1日と10月1日の2回、市内スーパーとデパート7店の店頭で実施した。また、仮にレジ袋を有料化した場合、何円までなら支払えるか、消費者の受容性についても調査した。
あわせて、スーパー側のメリットとして、レジ袋の購入量が減ることで、どれだけのコスト削減がはかれるか、包装材の卸事業者を訪問して包装材の売価を取材した。有料化によって生じるレジ袋代金の「収入予測」と合わせて、小売店の「メリット」の算出を試みた。
簡単に書いたが、包装材の卸事業者への取材は簡単に進んだわけではない。どの店がどれぐらいの量のレジ袋を購入しているか、単価はどれだけか、簡単に教えてくれる数字ではない。何度も足を運んだが、最終的にこの数字はおしえてもらえなかった。しかし、相当な金額になることは明らかで、レジ袋有料化が小売店舗にとって、「コスト削減」というメリットを生むことを強調するためにも、消費者の受容性を高め、かつそれを具体的な数字で示すことが求められた。
市民アンケートの結果は、2008年には「レジ袋の有料化に80%が賛成」「90%が買い物袋を持参する」との回答を得るまでになった。また「レジ袋が有料化された場合、何円までなら受け入れることができるか」といった問に対して、「5円までなら受け入れることができる」という答が最も多いこともわかった。市民の受容性の高まりを具体的な数字で示すことで、「レジ袋の有料化」が小売店にとってマイナスにならないことを明確に示した。
このような調査結果を示して、2008年7月より市内事業者と個別に話し合いを持った。翌9月には福井市、福井市くらしの会、市内事業者によるレジ袋無料配布中止の検討会を立ち上げ(座長、豊嶋美代子さん)、3回の検討会と作業部会を経て、翌2009年2月4日に「協定調印式」を行い、4月1日より「レジ袋無料配布中止」が実現した。同年内に16事業者163店でレジ袋の有料化が実施され、90数%のマイバック持参率が得られるようになった。

(本報告から得られる教訓、感想)
福井市くらしの会は、スーパー店頭での食品トレイの使用状況など毎年詳細な調査データを残している。ただし、レジ袋削減も含めて環境問題だけに取り組む団体ではない。他の多くの消費者運動のなかのひとつとして、上記の活動に取り組んでいるわけだが、地道に何年にもわたって粘り強く実践された活動には敬意を表したい。
上記活動から得られる教訓として、事業者から納得のうえでの協力を引き出すには、事業者にとって事業活動のマイナスにならないこと、およびメリットが具体的に示されることの重要性があげられる。多くの消費者がレジ袋削減の社会的なメリットに気付き、「有料化に賛成」の意思を示したとき、「無料配布の継続」は事業者にとってのメリットではなく、むしろデメリットやリスクに変わったわけである。
また、「レジ袋の有料化に80%が賛成」という状況は、アンケートを取れば簡単に得られる答ではない。消費者の理解を得るまでには、地道な情報提供や啓発活動が必要である。また、毎年場当り的な設問や啓発を続けるならば、消費者意識は向上しない。粘り強いだけでなく、何年で何を実現するのか、戦略性も重要な要素である。

豊島さんの報告

 

 NPO法人 ごみじゃぱん事務局長 小島理沙さん(神戸大学非常勤講師)の報告
「減装商品」のコンセプトと、事業者等の理解と協力を得て広めた経験

(報告者 堀 孝弘)

NPO法人ごみじゃぱんの紹介
容器包装ごみの発生抑制に取り組む非営利団体。神戸大学の学生を中心に活動している。
おもな取り組みとして、「減装(へらそう)ショッピング 」がある。これは、容器包装ごみが少ない商品を「推奨」して、 スーパーマーケットで目印(POP)を付け、販売動向を調査し、より効果的な手法等へと改善している取り組み。2007年から5年になるごみじゃぱんの核となる活動。

小島さんのお話から。
メーカーにとって包装は商品の付属品。クレームが出ないようにしなければならない。一方、包装は消費者へのアピールポイントでもある。消費者は購入時、買った後包装がごみになることまでは考えていない。ごみを出す時に「ごみがたくさん出る」と感じる。ごみに関して消費者に届く情報としては、分別品種と収集日がほとんど。これは「〜しなければばならない」といった情報である。一方メーカーは売れなくなるのが怖い。省包装にすることで商品のイメージが落ちないか、とても気にしている。
ごみ問題に関するコミュニケーション(ごみミュケーション)が不足している。ここで「包装ごみを減らすことで、どのような環境メリットがあるか適切に伝わるならば、消費者の行動が変わり、包装の少ない商品が選択される。それによって、包装を少なくしようとしているメーカーにもメリットが生まれる。」との仮説を立てることができる。それはどのように実証できるか、そのための具体的な方法を検討した。

まず、包装の少ない商品の定義が必要である。ごみじゃぱんは、100以上のカテゴリーの商品(例えば店頭で販売されているおかき)について、購入できるものは全て購入し、容器包装と内容量の重量を測り、その比率を出した(包装指数)。ランキングのうえ、上位30%程度の商品をごみじゃぱん推奨の「減装商品」として認定した。計測した商品は、119分野約4,000種におよんでいる。「減装商品」と認定した商品は、店頭でのPOPやHPで消費者に知らせ、表示以前より売り上げが伸びるかどうか、効果測定することにした。
2007年に神戸市内のコープこうべ六甲アイランド店で実験的に取り組みが始まり、翌年は2社4店舗に拡大。2009年には3社へと徐々に協力店が増えていった。この課程では広報面で行政の協力が得られたことが大きかった。市民は行政の広報誌を結構読んでいる。また神戸市バスが車内広告を出してくれるなどの協力があった。
取り組みに参加してくれた流通事業者からPOSデータの提供を受け、売上動向を解析した。「減装商品」の売上の伸びが明らかになるととともに、消費者への意識調査などによって、売上伸長の要因として、店頭啓発やPOP掲示の効果(他の要因による選択ではない)があげられることを明らかにした。

活動の開始から数年は、ごみじゃぱんの学生ボランティアたちが店頭での啓発やPOP掲示などをしていたが、2011年には神戸市内のダイエー全22店で、店舗の日常業務として「減装商品」の POP掲示が行われるようになった。また同年山崎製パンは、「減装商品」に認定された商品の製造段階で、商品包装に「減装商品」のロゴを印刷するようになった。2012年には神戸市だけでなく、大垣市でも実施され、またイオンやユニーも取り組みに参加してくれるようになった。
これらの取り組みからわかることは、消費者が動くとメーカーや流通事業者が動くということ。そこでは、インセンティブの調整が必要であり、誰かに無理をさせるのはダメ。 Win-Winの関係づくりが大切。
また、店頭での掲示や啓発活動だけでなく、日頃からごみ減量意識の浸透が重要である。そのためには様々な年齢や階層に働きかける必要があり、対象によって働きかけの手法を工夫している。おもに小中学生を対象に「減装(へらそう)学校」と名付けた「出前授業」の実施。生活者に対しては、お茶やスイーツを食べながら気軽に参加でき、学び語り合える「減装(へらそう)カフェ」の開催。減装ショッピングの理念に賛同してくれる企業とは「減装(へらそう)研究会」を開催するなどしている。

(本報告から得られる教訓、感想)
ごみじゃぱん小島さんの報告でも、福井市くらしの会 豊嶋美代子さんの報告と同様、事業者のメリットや取り組みの効果を「具体的な数字で示す」ことの重要性が言及された。それだけでなく、ごみじゃぱん小島さんの報告では、問題解決のための仮説を立て、仮説の有効性を実証する手法(事業)の検討、事業実施後の効果測定、結果を受けて新たな課題の設定など、目的達成のために事業内容を高めていく一連の進行手順が示された。
このように活動を組み立てている市民団体は決して多くない。事業評価そのものは市民団体でも多くの場合なされているが、その場合も「セミナーの開催数」や「来場者数」などが評価対象である場合が多い。自分たちのミッション達成を見据えた評価軸を設定しているか、評価をもとに以降の改善が図られているか、こういった視点の大切さは言うまでもないが、それを具体的に実践している例として、ごみじゃぱんの活動は参考になると感じた。

小島さんの発表

 

NPO法人 日本ワンディッシュエイド協会 樽井雅美さんの報告
ケーキ店などに、リユースカップ導入を進めた想いと成功の秘訣

(報告者 堀 孝弘)

ワンディッシュエイドの活動は、協会代表の樽井雅美さんが、お菓子の不要陶器との出会いからこのものがたりは始まった。ケーキやプリン、ムースなどを買って家族で食べた後、カップがどんどん溜まっていく。こういう食器が捨てられた後、どうなるか地元の市役所に尋ねたところ、「リサイクルもできないので、最終処分場に埋め立てるしかない」という返事を聞かされた。それにショックを受け、「なんとかならないか」と思ったことがきっかけだった。
岐阜県セラミックス研究所(多治見市)で、使用済み陶磁器をリサイクルして新しい容器を作る研究をしていた「グリーンライフ21プロジェクト」の活動を知り、すぐに多治見まで行き、同プロジェクトの長谷川善一さんに会い、再生した陶磁器でスイーツカップをつくり、これをまたケーキ屋さんで使ってもらう構想を話したところ意気投合。これが2006年のこと。その後、長谷川さんらの協力で、3種類のリサイクルカップが生まれた。
ワンディッシュエイドのスイーツカップは、陶磁器の再生原料を20%含めてつくられている。技術的には50%まで可能だが、再生原料比率を上げるとコストが高くなり、現状含有率は20%としている。

しかし、もしこのリサイクルカップを使ってくれるケーキ屋さんがあっても、お客さんがスイーツを食べた後、捨ててしまえば結局ごみは減らない。スイーツのカップは、スイーツを買ったらついてくるもの。気に入って買った容器とは違い、ただの容器。だから他の食器より捨てられる可能性が高い。どうしたら捨てられない仕組みを作ることができるか…。
そこで思い出したのが、ビールびんのリユースシステム。デポジット(預り金)制度を用いれば、捨てられずに回収できるのではないか。しかも破損していない容器を洗浄して使えば、ごみはまったく出ない。だが、パティシエのなかには、お客さんに出す商品に再生品を用いることに抵抗感をもつ人もいた。もともとスイーツが大好きで、「厳選パティシエじゅずつなぎ」と題した人気ブログの主宰者だった樽井さんは、スイーツ人脈をフル活用して、パティシエたちから、熱意で納得を引き出し、現在(2012年9月)、スイーツ店やレストランなど29店で採用されるまでになった。なかには、この取り組みに共感し、スイーツカップにあわせた新商品を開発してくれる店もあった。また、29店のうち23店がデポジット制度を採り入れてくれている。

もうひとつの取り組みは、「リユース・リサイクル もったいない陶器市」の開催。奈良県生駒市の自宅前に廃陶器の回収ボックスを設置したことがはじまり。「自分の出来ることからはじめてみよう!」と、回収ボックスに集まった陶器の中でまだ使えそうなきれいな物を並べて、気に入ったものをもらって使ってもらうリユース運動「もったいない陶器市」を始めた。この活動が口コミで広まり地域に浸透してゆき、近くのスーパーの店頭を借り「毎月10日は陶器の日」として、定例開催できるようになった。日数では年間40日、回収量は30トン、利用者は1万5千人になる。
さらに「もったいない陶器市」は、奈良市や大和高田市にも支部ができ広がっている。また、この活動に共感してくれた人が、それぞれの地域で同様の取り組みを実施するなどの広がりも生まれている(豊中市など)。

さて、このような活動は、どのように生み出されるのだろう。
地道に活動していれば、実現するものではない。この報告を依頼する際、樽井さんにこの点を、尋ねてみた。樽井さんから「最近、どうしたら夢が実現するか、見えてきた気がする。報告までにまとめてみる。」という返事を頂戴していた。それが以下の9条。

1 とにかく、やりたいと思うことを自分自身が思いっきり楽しむ。
2 ぶれないビジョンをお経のように唱え続ける。
3 現場の話を聞き続ける。現場を観察する。
4 小さな成功を思いっきり喜ぶ。喜びを分かちあえる人に話す。
5 失敗も包み隠さず話す。
6 今の活動以外の個人的なネットワークに呼びかけてみる。
7 小学校4年生が理解できる形に落としこむ。
8 自分は幸せかぁ〜 みんなが幸せかなぁ〜と考える。
(この「みんな」のなかには、関係する事業者も含まれる)
9 できるかぎり素人であれ、おおらかであれ。
おまけ 100できる人が1人いるより、1しかできない人が100人いて、その力を合わせる方がずっといい。

(本報告から得られる教訓、感想)
樽井さんのような問題意識を持つ人は居ても、実際にその解決・改善のために何か行動ができ、しかも新たな問題に出会っても、明るくエネルギッシュに行動を継続できる人となると、極めて少なくなる。このことを考えると、最後の9条は、その「壁」を超えるためのヒントが凝縮されていると感じた。心に芽生えた問題意識を、はっきりとしたイメージとして描き出し、その解決・改善のための活動に必要な情報や仲間を吸い寄せ、幾度もの挫折や失敗を糧とし、燃え尽きずに活動を継続するためのヒントである。
「ヒント」というより、ここから感じるのは。行動特性(コンピタンシー)である。行動特性(コンピタンシー)とは、知識や技能(スキル)と違い、簡単には修得できない。しかし「性格」とも違い、変えられないものでもない。樽井さんが示された9条(もちろんこれだけでなく、それ以外も含めて)を常に意識することで、そこに多少でも近づけるのではないかと思う。市民活動のリーダー層はもちろん、自己実現のための大切な指針として、多くの人に意識してもらいたいと思う。

樽井さんの発表

以下、「わかちあい」と「アンケート」から

<わかちあい>シートへの参加者の記載から

■ 今日学んだこと、得たことで、「これは実践したい」「参考にしたい」「周りの人に伝えたい」と思われたことは何ですか。どの報告からでも結構です。

・活動を広めるには、日頃からの人間関係やコミュニケーション力が物を言うことが分かった。
・ データで示すと納得してもらえる。分かり易い。
「万引きが増える」「お客さんが減る」という思い込みに根拠を示して、「そうじゃない、むしろこんなメリットがありますよ」と伝えたこと、説得力が有るなと思いました。
・ 話を聞く。環境に関すること、自分がしたいことではなくて、まずは相手の話を聞く・・・何でもコミュニケーションが大事だと再確認しました。
・ 何事も熱意と誠意が必須。どの方も情熱が見事。
・ コミュニケーションは話し上手よりも聞き上手(樽井さんに共感)。
・ 相手の利益、利得は継続・発展の条件。
・ もったいない陶器市(無料配布)と集客効果。
・ 減装商品の宣伝の仕方や減装学校等の内容。
・ データを集めて対象者に示すということ。
・ 相手のメリット(WINの部分)を提示するということ。
・ 後ろ向き発言を前向きに。
・ 楽しみながらやる!ということ(継続中)
・ 包装廃棄物のリサイクルコストと一般廃棄コストの差
・ レジ袋無料配布中止への取り組みについて
事業者へ要請するための「よりどころ」となることをしっかりと持っていないと行けない。ぶれない思いを持つには市民の支持が必要であり、データの蓄積をさらに充実していきたい。長年のデータの蓄積に感心しました。
・ 減装商品のポップを見たら購入したい。
・ 自分の住んでいる地域でも販売店にポップを付けてほしい。
・ 地域の活動がつながっていくように活動して行きたい。
・ データ化するということを心がけたい。
・ 市内全事業者がゴミ袋を有料化するということも「できないことはない」のだと思いました。
・ いずれの報告でも共通していたものは、核となる人の「情熱」だなと思いました。福井市の豊嶋さんのお話で、ノーレジ袋の運動を昭和55年からされ続けて、平成21年に無料配布中止にこぎ着けたということには本当に驚かされました。地域で3〜4年、取組んでいてもなかなか結果が出ず、毎バックの運動自体、頭打ちかという気もしていましたが、考えが浅いなと思い知らされました。うちでも何か出来ないかなと思いました。お三人の活動は全てつながる仕組みなので、結合できればなあと思いました。
・自分のネットワーク(環境・状況)を上手に活かす。
・上手にはみ出す(ステップを踏んで周りを巻き込む)。
・継続する。
・事業者に協力してもらうときは、データで、事業者のメリットを示して協力してもらう。
・事業者が増えれば、他の事業者も参加してくる。(逆もある。)
・双方にメリットの有るスキームを目指す。(win-win)
・とにかく分かり易く説明する。
・事業者は消費者が動けば動く。
・事業者を攻める時は経営層を落とす。
・レジ袋の無料配布は日時がかかり大変です。
・ごみジャパンの調査結果・課題の掘り出しに学ぶべきところが大きい。
・リユースカップは名古屋のNPOも苦労し頑張っているが、必要。
・今年の3月に環境基本計画が策定されました。その中にはゴミ削減に関するプロジェクトも有るので、今日のお話は3つとも参考になったし、どのお話もこれから推進メンバーに伝えたいと思いました。でも今日は盛りだくさんすぎて何から始めたらいいか分からなくなりました。まずは情報収集と分析とか、消費者と事業者の対話かなあ・・・。
・豊嶋さんの店頭調査(消費者ニーズ)からの事業者への説得、時代の世論を考慮すると、先進的であり、現在でも大きな成功事例。
・エコバックが環境破壊とも批判されるケースも散見された時がありましたが、傘の再生したエコバックを利用・普及される等、コンセプトも含めて素晴らしいと思いました。
・樽井さんの情熱と実行力、女性らしいしなやかさ、活動の中身、コンセプト、苦労されたことに対する突破力、本当に素晴らしいと思いました。
・地元のデパートでポップを付けるところがあったが、人を使ってすることが困難と言われた。学生を動かしてやれたことが良かったと思います。しかも卒論や自分の研究にも役立つし、学生は卒業してもまた次に入ってくる。参考にしたいと思います。
・行政の立場からですが、町のゴミの収集体制、リサイクル、最終処分はほぼ整っていますが、「ゴミの排出抑制」はほとんど進んでいません。広報誌等で啓発、新たな事業の立ち上げを行っても、最後は行政任せに終わっていることが多いと感じていますが、本日のお三方の話を聞いていると、本町の住民にもきっと同じ様な関心を持っている方が入ると確信しました。今後はお話を参考にそんな方を見つけ出し、恊働しながら、「ゴミの排出抑制」を展開して行きたいと考えます。
・減装ショッピングに関して包装材の重さを計測して、「減装商品」に認定できるかどうか、数字の裏付けを持って示したこと。何故これが認定されてこれが認定されないのか、という質問が出ない様になった。
・ワンディッシュエイドに関して、樽井さんが自身の生活の中で感じた思いを大切にして活動を続けているので、他の生活者にとっても共感できる取り組みになっていると感じた。
・ どの活動も最初は生活に密着した身近な小さな活動であったものが、色々な困難な問題を乗り越えて継続され、大きな事業となって行っているところに意義を感じます。困難な問題を解決するのには熱意がとても必要であると感じました。
・ 豊嶋さん…「寄り添う活動」を続けることの意義が表れている。
小島さん…若い力、前進する力が活動を支えていること。進め方が参考になった。活動→分析→課題。
樽井さん…仲間を作る方法、周りのママ友に伝えます。幸せな活動をしたい。
・豊嶋さん…レジ袋は市の指定袋の中に使う袋としては便利だと思いました。エコバックを持ってきてもレジ袋をエコバックに入れて帰る人がいることに驚きました。
小島さん…売り上げの分析やメーカーのデメリット・メリットの話が大変役に立ちました。事業と協力するには、利害の一致が必要だと感じました。
樽井さん…陶器市など市民目線からの話が行政の企画に反映できたらなと思います。
・自治体の職員であり、仕事で環境のことに携わっていることから、つい目的達成のほうに考えがいきがちになります。今日のみなさんは自身の目的や目標もお持ちの上、芯の部分で「周りのみんなが幸せになれるように」という大事なことを言っておられました。私もその心を忘れないように、これからも取り組んでいこうと思ったところです。
・事業者の経営層がやると決めたら業務にできる、ということが参考になります。
・ゴミの少ない、容器包装の少ない商品を、見た目だけでなくきちんと測定していることが素晴らしいと思いました。そういったうえで、ついている「減装商品」をもっとたくさんの人に伝えたいです。
・いつでも素人の立場に立って。
・我が家にも使わない食器が山のようにあります。捨てることもできずに…。自分の地域で樽井さんがされているような陶器回収があるといいなと思いました。樽井さんが実践されているような熱い想いを持って私も何か活動してみたいなという気持ちにさせられました。
・データをきっちり示すと説得力がある。
・レジ袋無料配布停止のために、出口調査をして生の声を聞く必要がある。
・コミュニケーションが必要。
・樽井さんの成功の秘訣9か条は、自分が人に何かを伝えたりするときなど様々な場面で活かせそう。
・win-winは大事。データ化。
・ある程度のデータを基にやってみるのも大切。広がりはその後についてくる!?売上アップ。
・小4にわかるように対象ごとに伝わりやすく。
・事業者をinvolveするという観点で情報を得に参りました。
①経済活動の中で展開することがカギになる認識はあった。
②本日のプレゼンの中でも売り上げの向上が動機との話もあった。
③しかしこれだけでプロジェクトが進むわけでもなく、結局は想いの正しさ、
想いの強さ、想いを伝える力が必須で、車の両輪であるとの印象を強くした。
(むしろ数字よりもこちらの要素の方が重要かもしれない。)
・企業から見てCSRといえども、マーケティングでありプロモーションでもある。社会福祉法人でもない限り、数字の伴わない活動はないと思うので、この両輪を回すことの重要性を再認識した。
・データ化の重要性。活動の広がりに行き詰まりを感じることは多々あります。
樽井さんと同様、我々も主婦の集まりですので、データの蓄積という点ではなかなか難しい現状があります。ただ、市民活動もマネジメントが必要な時代です。今後、継続と課題を分析して他者を説得するためにも、データ化の活用が大切であると実感しました。
・報告した方々に共通する情熱がとてもまぶしかったです。それぞれの方の取り組みを支える根っこに、本人さんの「何とかしたい」という情熱があり、それが運動の原動力になっていると改めて思いました。
・樽井さんの報告から…
やりたいことを楽しむなど、自分は幸せ?みんなは幸せ?などなど忘れがちなりそうですが、大切なことだと思いました。
女性の視点、主婦・母の視点はやはり地域で暮らし、活動していく者にとって大切だと思いました。
活動費についてはいつも問題になるところであり、持続可能なものにするには共感してもらえることが大切だと考えています。(具体的にはまだ模索中ですが…)例えば企業に出資してもらうというのも一つの方法かとは思っています。
・城陽でも市内で活躍・活動されている団体の報告やPRをする機会を(今回のセミナーに参加して)企画してみたいと思いました。また、実績やデータの必要性を改めて実感しました。
・レジ袋削減、過剰包装などを減らす運動をするとき、市民(消費者)・事業者・行政の三身の協力が必要であること、特にデータを取り、それに基づき、市民の方が声を上げ、行動していただくことが全体を動かす力になる。
・容器包装の減装への取り組みについて非常に参考になりました。環境やエコへの取り組みはいかにwin-winの関係を築くことができるのか、その仕組みを上手に作ることが必要であると感じました。
・小島さんの報告、樽井さんの報告
消費者・事業者両方の視点を踏まえて、ごみの量や小売店の売り上げの向上など、数値的にも話をされていたこと。活動の上で、大切な信念や思いも箇条書きにされ、すごくわかりやすかった。
・消費者が出すゴミが最終的にどのように処理され、また処理現場では今or今後どのような問題があるのか、調べてみたいと思った。
・事業者とうまく連携を取っていくために、業者のメリットを考えること、メリットを数値で証明すること、この二つが非常に大事であると感じた。
・「減装商品」買う時にごみのことを考える目を広めたい。POPなしでも判断できるようになればもっと良いと思う。

■「私ならこのようにアレンジするよ」というアイデアがあれば、分かち合いましょう。

・減装を評価するだけではなく、提案をしてみたい。たとえば、ミンチを袋(そのまま調理に使える)に入れたり、塊肉を真空パックにする。野菜を新聞紙の袋に入れる―など。
・自分の活動に置き換えて考えると、会議や研修がそのテーマを話し合うこと、技術を身に着けることメインになってしまっていることあ多々あるのですが、もっとお互いの話を聞く時間を設けて、「仲間と話すのが楽しいから行きたい」という雰囲気を作りたいです。
・数値と気持ち、重視。
・未来の消費者(子どもたち)をもっと巻き込んでやれたらいいですね。
・より幅広い層との意見交換を進めていく。
・数値と気持ち。
・自分のネットワークを上手に活用する。
・減装コーナーを作る。
・発生抑制にすべて通じている3つの発表のよきところを実践できるように頑張りたい。
・ワンディッシュエイドの不要陶器、スーパーのお刺身のトレーがわりとかに使えないかなあ。
・「食器市」を発展させて粗大ごみ「フリーマーケット」
・今持っている(周りにある資材、場、人)を使って…
・陶器市に出品する登記を行政が収集(回収)・運搬をすることと、場所(ストック場所・開催場所)を行政が提供できたらよいのになと思いました。
・大きい店、事業者、スーパーだけではなく、小さな店~個人事業まで広げていけたら(応用絵はないですね…)。
・樽井さんのお話に、小4の子供がわかる内容で、とありました。まさにその通りだと思います。そして我々はもっと小さい子、幼稚園児にもわかる話を…というのを心掛けています。環境の話を分かりやすく伝えるというのは本当に難しいですが、大人だけでなく、子供にも知ってほしい、子育ての中で活かしてほしいという願いを込めています。
・私たちは、“みどりのまちづくり基金”を設置し活動していますが、なかなか寄附付商品にたどり着かず、私たちがイベントで募金活動しながらやっております。“三方よし”を改めて考え、「誰もができる」「やりやすい」仕組みを作っていきたいです。
・陶器、レジ袋、減装、すべて同時にキャンペーンを行う。
・減装商品以外にも環境にやさしい商品全般にPOPをつけての販売を目指していく。
・メーカーの包装そのものに「減装」表示をすれば、POP掲示の手間が省けるのでは?
そのためには多くの企業に(網羅的に)プッシュする必要がありますが…。

<アンケート> の記載内容

■「分かち合い」で得られたことについて教えてください。
□ほかの参加者に伝えて、共感してもらったこと
・本市の現状。レジ袋削減の取り組みに関する課題等。
・データが大事であるということと、人を巻き込んでいくには気持ち、人柄が大事だということ。
・人を説得する時にデータに基づいた検証が重要であるということ。
・データ化の重要性
・figureとpassionは車の両輪。
・情熱とデータが大事。相手(事業者)のメリットを提示。
・わかりやすく伝えること。
・行政の立場から支援できること。広報。
・行政・市民・事業者等を巻き込んだ「ごみの排出抑制」
・インセンティブ調整の重要さ。
・事業者の説得が一番難しい。
・それぞれの環境をうまく使っていらっしゃること。
・熱意が大事。
・短いスパンであきらめてはダメ。
・指定袋制ではない自治体でのレジ袋削減、有料化のむずかしさ。
・相手の利得が必須。
・わかりやすく伝えること、人の話を聞くこと、コミュニケーションってやっぱり大事。
・理解してもらうためには、コミュニケーション力やデータが大切であること。

□ほかの参加者から「わかちあい」で得られたこと
・他市の状況や成功例を聞けて参考になった。「福井市さんのマイバックを携帯しているのは当然。レジ袋をもらうのは恥ずかしい」風潮には驚きました。
・ごみを減らすために「環境に良い」ことをアピールしたステッカーがあればいい。全国レベルで共通のステッカーもしくは、他団体の協賛でステッカーを借りるというのも良いと思う。
・人を説得する時に人柄や熱意が重要であること。
・情熱と持続力の大切さ。こちらの意見を言うよりまず相手の話を聞くことで、良い関係が作れる。
・地域制があるので同じやり方ではうまくいかない。
・メーカーが変わらないと。そのために消費者の意識を変えるべき。
・人柄(熱意!!)も有力なポイント。
わかりやすいデータ化と提供。自分でできなくても、できる人とつながる。アレンジする、採り入れる。
・データ化の信用性。何件のアンケートを取ったのかが大切。
・地域の特性を生かして!利益的よりも1%の嫌な人とレジでもめるのが嫌ということで渋る。踏み切る。
・なにがそもそもwinなのか。
・分析が大事。
・豊田市の事例。
・未来の消費者の子供たちへの教育が大事。
・自分自身も相手方(事業者)を分析してたがいにwin-winになるものを。
データを作るのもありだし、データがあるところからもらう、というのもある。
・数値と気持ち、データだけではなく思いも大切。
・事業者をいかに取り込むか。ラブレターを出すように。
・「数値」と「気持ち」
・データ…他団体と協力するのも手。
・市民活動と行政(たてわり。うまくやっていくのは難しいけど、よく見極める)。
・自分…自分の活動を分析するのも必要。(気持ち、熱意)
・様々な活動を定着、広げていくには、地域性も考慮しなければならない。
・「失敗」「課題」「自らの熱意」
・樽井さんのパワーに圧倒されました。
・‘壁’となっているのは、共通するものがあるということ。
・環境=おしつけだと思っていた。
・環境に興味がない人を行かに巻き込むかが難しいし、大事。
・事業者への説得で、売り上げもあるけど、事業者は消費者からのクレームが一番怖いということ。
・意識の低い消費者を動かすのが難しい。
・行政は担当者が数年で変わってしまうのがいけない。(ノウハウがたまらない)
・市町村が初めてでも続かないことが多い。
・やっぱりデータも大切。
・未来の事業者に出前授業。
・講座のお話で、「数値」と「気持ち」が活動を広げるキーワードだという発表を聞き、「ほんとうだ!!」と気づきがありました。
・他グループで活動している市民の意見、活動内容を知ることができた。
・市民活動にはコミュニケーション力が大切である。
・他自治体(行政)の方が合から、現状や行われていること等。
・指定袋がないところでのレジ袋削減のむずかしさ。
・数値の大切さ。
・地域や年齢によって伝え方が違うから、考えなきゃいけないな。
・最近は環境に対して意識が変わってきている。
・地域性をよく考えて、適った方法をとっていかなければならない。

■セミナーの運営で気づかれたこと、内容面での要望などはありますか
・講演を聞いた後にほかの参加者の方と意見交換ができてよかったです。
・すごくわかりやすい発表で楽しかったです。
・とても興味深い内容で、多くの気づきがありました。意見交換(わかちあい)、よかったです。
・ありがとうございました。事例は楽しく興味深く聞きました。
・グループワーク?があると思わなかったので驚きました。
・今後、ごみ減量を進めていくうえで、大変貴重な機会を得られました。ありがとうございました。
・参加者同士の交流が楽しくできて、とても良かったです。話を聞くことで、自分の問題や状況が浮き上がってきた気がします。とても参考になりました。
・交流の時間が短かったような気がします。
・講師の方、それぞれ取り組みの内容の特徴やご経験の違いがあり、人選が良いと思いました。
・勉強になりました。
・講師の方がいずれも違う魅力があり、大変勉強になりました、ありがとうございました。
・一方的に聞く講義ばかりではなく、「わかちあい」の時間を設けられているところはよかったです。
・相互啓発効果大。広い範囲、地域からの参加者との意見交換ができてよかった。
・堀先生のユーモアある、まったりとしながらも、的を射た質問や進行には感服しました。

■その他、お気づきのことがあればお知らせください。
・少し空調が寒かったです。
・個々の活動の内容についてFocusがありすぎて、テーマである事業者をどう巻き込むかについて掘り下げてほしかった。
・レジ袋有料化?かなり広い地域で実施(地域全体で)されていると知った。三重県(AEON)、豊田市(TOYOTAのグループ)、市民より企業の力が強い。
・すごくよい事例を聞かせていただき、大変有意義なセミナーでした。ありがとうございました。
・駅から近いので助かりました。
・今後も参加させていただいて自分たちの運動を広げていきたい。
・とても勉強になりました。第2回もよろしくお願いします。
・今日は5年ぶりに講座に来させていただき、本当にありがとうございました。人にお話をさせていただく機会を頂くたびに、自分自身を見つめ直すとても良い機会になっています。今日も本当に楽しかったです。
・このわかちあいシートがすごくいいな!と思ったので、違う場で活用させていただきます。
 

今日、私が得たことの「わかちあい」

わかちあいでの小島さん

わかちあいでの樽井さん

 

本事業は、京エコロジーセンターの助成を受けて実施しました。

 

以上