少ないエネルギーで不便のない社会に転換を | 認定NPO法人 環境市民

少ないエネルギーで不便のない社会に転換を

このコーナーは,2002年から2013年まで環境市民の事務局長を務めた堀孝弘が,在職時に書いたブログを掲載しています。

《「節電しています」というけれど…》

よく、スーパーなどの店頭で「節電しています」というポスターを見かけます。でも実際、「節電しているのはどこ?」と思うことがあります。

【写真1 一部消灯している天井照明】

《可能な省エネの徹底》
  写真1は、2012年5月29日に取材した、大阪に本社のある中堅スーパーのある店(京都市内)の天井照明です。おわかりのように、多くの蛍光灯が消されています。店に入って一見「他の店よりは暗い」と思いましたが、不便はまったく感じませんでした。
  この他、冷蔵ショーケースでは、トップライトを消していました(写真2)。また、ショーケースからの冷気もれ対策として、ショーケース下部の冷気吸い込み口をふさがない商品陳列(ロードラインの確保)の徹底など、幾つもの「目に見える節電」がなされていました。
同社の本社に問い合わせたところ、同規模・同形態の他店と比べても、店舗延床面積あたり、4.5%電力使用量が少ないことがわかりました(平成23年年間消費電力での比較)。

【写真2 ショーケース最上部(写真左端)のトップライトが消されている】

 

《さらに今後は》

今後の省エネ対策としては、省エネ性能の高い機器への更新などを本社と検討中とのことでした。同社の他店のなかには、最新機器への更新などによって、この店よりさらに30%もの省エネを実現している店があります。
ただ、最新機器の導入は、すべての店がすぐにできるものではありません。紹介したこの店が採っている省エネ対策のような、ソフト的な対応は、どの店でも、すぐに実施可能です。

《地域の人たちと進める環境対策》
  この店は、レジ袋の無料配布停止を早くから実施していて、地域のお客さんと一緒に環境の取り組みを進めているという感じが伝わってきます。昨夏、節電に取り組んだスーパーの多くが「のど元過ぎれば…」で、元の照明燦々・冷気漏れ漏れに戻ったなか、この店はお客さんの理解のもと、昨夏の取り組みを定着させています。
この方が、一旦、照明サンサン、冷気モレモレに戻して、また今夏、お客さんに理解を求めるより、ずっと手間や労力が少ないように思えます。

《消費者の応援が重要》
  企業はお客さんの反応をすごく気にします。客である我々消費者の「気づき」「割り切り」「応援」が、企業の環境の取り組みを前進させる力になります。