秋来ぬと… | 認定NPO法人 環境市民

秋来ぬと…

このコーナーでは、ウェブやメールマガジンの企画運営を行っている「電子かわら版チーム」メンバーのコラムを紹介しています。一緒に企画運営をしたいボランティアも随時募集中です。関心のある方は京都事務局まで。

「秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ 驚かれぬる」
平安時代の歌人、藤原敏行が詠んだ有名な一句です。
「秋がやってきたことは、目にははっきり見えないけれども、
風の音の中でその事に気づかされました」という意味です。
昔の人は秋の訪れを、歌を通すことで一層しみじみと感じていたのですね。

さて、現代の日本はこの数日で急激に冷え込みが始まりました。
このまま秋を迎えないまま冬が来てしまうのではないかと思ってしまいます。
思えば、去年もそうでした。猛暑、酷暑と叫ばれた夏が終わると、
秋の気配を感じさせぬまま豪雪や寒気に見舞われた年末年始がやってき
ました。

これが何による影響なのかはわかりませんが、急激な冷え込みのまま秋を
通り過ぎ、秋の楽しみであるモミジやイチョウの葉が青いまま、彩ることなく
散ってしまわないか心配です。
美しい紅葉、黄葉や虫の声、それこそ風の音を感じることがない秋は少し
物寂しいですね。
みなさんはどうですか。
忙しい日々の中でも、少し足を止めて、しみじみと秋を感じてみませんか。
(ひ)