リサイクルについて | 認定NPO法人 環境市民

リサイクルについて

このコーナーでは環境市民の事務局スタッフを中心に、今すすめているプロジェクトのナマ情報や、スタッフならではの思いや気づきをお伝えします。

公平で、持続可能なリサイクルシステムについて考えたい、まずは現場を知りたいという思いから、伏見区横大路にある京都市南部資源リサイクルセンターを訪れました。
このセンターは、缶、びん、ペットボトルを再資源化する施設で、労基法に基づく福祉工場(京都市の社会福祉施設)として運営されていて、全従業員64人のうち50人は障害を持った人です。工場長のお話のもと、施設内を見学させていただきました。
処理のフローはこんなかんじです。
私たちの出した資源ごみを詰め込んだパッカー車が工場に到着すると、まず、すべてがコンベヤに流れていきます。そして、いくつかの選別機械によって自動的 に仕分けられていきます。電磁石でスチール缶を選別、風力式選別機は、空気の力でびんやビニールなどを選別、びんは色ごとに選別です。最初と最後の仕分け は、機械ではなく、従業員が手選別します。その後、圧縮機に運ばれていきます。
右上の写真はプレスされたアルミ缶、40kg×50個(80cm角12cm)。1日2トンになるとのこと。 流れてくるもののなかには、缶、びん、ペットボトルに混じり、フライパンや包丁、大量のまち針や注射器にギブスまでありました。
ペットボトルは、ごみとして出す時点できちんと洗浄され、キャップとラベルがはずされているものは、全体の3割程度ということ。中身が残っている容器は、機械が汚れを感知し、水処理に時間をかけます。汚れが多いと、排出にかかる処理費用も当然高くなるのです。
工場長のお話によると、パッカー車で運ばれてくる資源ごみの量は、1日30トンだそう。 いろんな容器がどんどん増えれば、それだけ消費量も増えて、リサイクルコストもかかります。リサイクルシステムを担う自治体を支えるのは、私たち住民ですが、缶やペットボトルをよく飲む人も飲まない人も、税金負担は同じです。
消費する側、つくる側、それぞれの行動を変えていくことが、持続できるリサイクルの仕組みにつながるのではないでしょうか。 普段の生活で、ごみ出しのルールやマナーを守るのはもちろんのことですが、そもそもリサイクルにまわすまでに、本当に要るものを考える、使えるものは、まだまだもったいない根性(モノを大事にする気持ち)でくり返し使うことが大事だと思います。
自戒をこめて。
(岩崎恵美子)