廃食用油の行方 | 認定NPO法人 環境市民

廃食用油の行方

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家庭やレストランなどで使用され、不要になった油(廃食用油)はどのように処理されているでしょうか。

全国油脂事業協同組合連合会の資料によると、1年間に消費される食用油は約250万トンで、8割以上がレストランやホテルなどの事業用として使用されています。
事業所から発生する廃食用油は、飼料用として約20万トン、工業原料として約5万トン、燃料用として約13万トンがリサイクルされます。
一方、家庭から発生する廃食用油約10万トンはほぼ焼却されていると考えられます。

他方、近年、脱炭素化への関心の高まりにより、
航空業界ではSAF(サフ)が注目されています。
SAFとは、持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel)の略称で、
廃食用油、サトウキビ、廃プラスチックなどを原料として製造され、
従来のジェット燃料と比較すると
6~8割のCO2排出量を削減できると言われています。

そのため、社内食堂で発生した廃食用油を
SAF製造のために提供する企業が続々と現れています。
その影響もあり、2021年と比べ、
現在の廃食用油の取引単価が3倍に高騰している
というニュースが報道されました。

廃食用油の取引単価が高騰すれば、
豚や鶏などの飼育コストが上がります。
とすれば、肉や卵類の値上がりにもつながります。

はてさて、CO2排出量と日々の食費の
どちらを優先すべきかという悩ましい問題が出てきました。

しかし、実は、食品リサイクル法の基本方針には、
成分や熱量の有効利用の観点から、食品リサイクルの順位は、
1.飼料化、
2.肥料化、
3.きのこ類の栽培のために使用される固形状の培地への活用、
4.その他(燃料利用等)、
と明示されています。

とすると優先すべきは明らかであり、
航空機から排出されるCO2を減らしたいなら、
燃料の使用を減らすことを考えた方が良いのではないでしょうか。
現在の仕事や暮らしのスタイルをそのままにして、
技術で脱炭素化を図るという方法が望ましいのかどうか、
真剣に考える必要があります。(くらげ)

<今週のコラムニスト>
ペンネーム:くらげ

小さい頃から、曲線に心惹かれています。海も空も曲線が美しい。
曲線が持つ無限のバリエーションはすばらしく、変化する様子は見飽きません。
曲線への興味を通じて、気候の勉強を始めたような気がします。
いつまでも、きれいな曲線を残したい。