4 日本の環境首都コンテスト | 認定NPO法人 環境市民

4 日本の環境首都コンテスト

4.1 日本の環境首都コンテストのしくみと質問票

さて、日本の環境首都コンテストは、主催者である私たちが作成した質問票に自主的に参加意思を表した自治体が回答し、その回答に対してあらかじめ決めておいた点数を与え、その合計点数で評価するシステムとした。このようなシステムはドイツのコンテストに見習ったものである。なお、対象は全国の市区(東京の区のみ)町村だが、周知は全市区町村の代表メールないしファクシミリ送信したほか、新聞報道によって行った。
質問票はアジェンダ、環境基本計画、マネジメントシステム、情報公開、エコオフィス、施設のエコ化、自治体交流、市民力の向上、環境学習、自然環境、水、景観と公園、交通、エネルギー、廃棄物、産業と16項目79問にわたって構成している。現在における自治体行政を、環境という側面から全面的にカバーしたものになっていると自負している。なお、質問づくりにおいてはドイツのコンテストの質問は、日本の実状や政策権限などと当然ながら適応しておらず、参考程度にとどめ、私たち全国ネットワーク独自のものである。
この質問票作成には多大な時間を必要としたが、主な留意点は以下のようなものである。

・市区町村の権限の範囲で可能な施策であること。すなわち国や県レベルの権限に基づく施策を質問から除いた。これにはプレコンテストとそのヒアリングが役だった。

・現在の日本の市区町村の実施可能な、しかも先進的な施策を促すような質問構成を考えた。

・市区町村の施策を環境面から全面的にカバーするとともに、回答に過剰な負担を強いないために、質問数を79問と押さえた。(プレコンテスト時点では、その3倍もあった)

・人口、産業、自然、歴史など多様性と違いのある市区町村に対して、共通して適応できる質問にした。これは実際にはかなり難しく、交通および産業は、質問そのものを自治体の状況に応じて選択してもらうことにした。

・回答は、基本的にすべて選択式とした。その選択肢によって点数が自動的に振り分けられるポイント制にした。これはドイツのコンテストでも同様であるが、文章回答であると、主観的な点数付けによる不公平が生じやすいことや外部からの圧力に影響される懸念があるからである。

もちろん、このようなポイントをすべてクリアーできたとは考えていないが、及第点には達しているかと考える。今後は参加いただいた自治体や、専門家、様々な方の意見を参考にして毎年より良い質問票となるように、改訂していく方針である。

4.2 チェックと表彰

表彰に至るまでに、まず回答に対するチェックを実施する。私たちは市区町村からの回答は信頼するという立場であるが、コンテストの社会的な影響力や、質問や回答の文章に対する誤解等を考慮すると、一定のチェックが必要となる。このチェックには二段階がある。まず最初は、回答に添付していただいた資料に基づくものであり、これはすべての自治体に対して行う。第二段階はポイントによって上位入賞が予測される自治体に対して、ヒアリングを行うことによって実施するものである。この2段階のチェックによって必要があれば回答を修正する。
ヒアリングの終了後、最終的なポイントを計算しランキングを行う。主催者としてのランキングの公表は表彰自治体のみである。全参加自治体としなかったのは、もし、趣旨を取り違えた一部のメディアや市民によって、参加自治体の中で下位になったところが、「環境に悪い自治体」などと誤解され報道等されることを防ぐためである。なお、参加した自治体自らの点数やランキングを公表されることに関しては、何ら問題はない。
表彰は全体ランキングのベスト10、人口規模別TOP2、部門別TOP3、先進事例特別を実施する予定である。なお人口規模は、権限や参加自治体の人口を参考として、政令指定都市、30万人以上、10万人以上30万人未満、5万人以上10万人未満、2万人以上5万人未満、2万人未満の6段階とした。また、部門別としては「地球温暖化防止」と「市民参画」を予定している。日本の環境首都の称号は、全体ランキング1位でかつ一定の点数以上であった自治体に対して贈ることにしている。

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