法人化ーNPO法人 環境市民の誕生 | 認定NPO法人 環境市民

法人化ーNPO法人 環境市民の誕生

法人化——NPO法人 環境市民の誕生

環境市民にとって大きな転機は、NPO法人格の取得でした。2002年2月25日付けで内閣府よりNPO法人の認証がおり、同3月8日に設立登記を済ませ、任意団体から、特定非営利活動法人 環境市民に組織体を変更しました。
1998年9月に理事会の下、4人の「NPO法人格取得検討委員会」を結成してから3年5カ月、総会や理事会、委員会での長い検討と準備を経ての設立です。これにより、団体として事業契約できるようになる、社会的信頼を得やすくなるなど、活動の影響力を高めることができました。

さらに多様化するグループ活動

2000年にはインターネットにより環境市民の理念と活動を広める「電子かわら版チーム」が発足。「環境市民メールニュース」を発行すると共に、1996年から開設していた環境市民のウェブサイトを全面的に見直し、充実させてきました。2004年にはウェブサイトの環境gooのウェブサイトコンテスト「環境goo大賞・奨励賞」、2005年には「環境goo大賞・大賞」を受賞するなど、高い評価を得ています。

2002年には「自転車大好きチーム」(現 自転車チームちゃり民)が誕生しました。交通問題への取り組みとエコロジーな生活提案として「京都自転車ツアー」や自転車利用を促す連続講座を実施。2004年には「アースデイ自転車フェスタin京都」を開催し、「京都自転車マップ まちなか版」(2005年)、同 郊外版(2006年)は社会的注目を集めています。

同2002年、翌年3月の世界水フォーラムに向けて活動する「水チーム」が発足しました。フォーラム終了後も川の生き物観察会や川辺の清掃活動、勉強会、水辺の景観に関する調査研究などを通じて、環境に配慮した暮らしを実践・提案しました。(2007年活動終了)

2003年には、環境市民がコミュニティFM「京都三条ラジオカフェ」に番組を持ったことから、「おしゃべりラジオチーム」が発足。身近な話やホットな話題で楽しく役立つ情報提供をしながら、ボランティアメンバーのスキルアップや情報蓄積もすすめています。

2004年に、これまで活動していた「森のフィールドグループ」は発展的に解消し、「こもれび倶楽部」が立ち上がりました。自然への共感を暮らしとむすびつけてまちづくりへの関心に深めるための企画を行い、2006、2007年には連続講座「自然を通じて子どもと遊べる大人になろう」を実施しました。

プロジェクト制の導入

多くの活動グループが存在するようになったことから、京都における活動をより効率的で深みのあるものに進化させていくため、2003年に「京都運営委員会」が設置されました。2005年にはプロジェクト制を導入しました。これにより、活動はグループ(組織)ではなく、プロジェクト(活動)を中心にして進めることになりました。「京都運営委員会」も「プロジェクト向上委員会」に組織変更し、プロジェクト間の調整から、プロジェクト遂行のサポートなどを互いに行っています。

ミッションの改定により活動を強化

2005年、時代の変遷や団体の実績に合わせ、ミッションを改定しました。新たに、「経済をグリーンにする」「世界の人々やNGOとの協働」を追加しました。
また、多くのプロジェクトの中で何が重点か、わかりやすくするため、リーディング(重点)プロジェクト他、3段階に分け、リーディングプロジェクトを全面訴求するような組織体形をつくりました。

グリーンコンシューマー活動のさらなる展開

設立当初から一貫して取り組んできたグリーンコンシューマー活動は、新たな展開を見せ始めました。京都の環境NGO、事業者、自治体と協力し、「省エネ製品グリーンコンシューマーキャンペーン」を実施。家電製品の省エネ性能について表示したラベルを、電気屋さん、専門店、大型店の商品につけ、省エネ家電の選択を促進しました。2003年に始まったキャンペーンは参加店舗が飛躍的に伸び、全国へと広がり、共通デザインのラベルが生まれました。さらに2006年には京都発の省エネラベルをもとに、全国統一の「統一省エネラベル」がつくられ、小売業者は、エアコン、テレビ、冷蔵庫に同ラベルを表示することになりました。
(写真)京都発 省エネ製品グリーンコンシューマーキャンペーンのラベル

2006年には事業者・市民団体・行政の協定によりレジ袋の有料化が実現。 環境市民も参画する京都レジ袋有料化推進懇談会との協働により、全国ではじめて、ジャスコ東山二条店を皮切りにスタートしました。2月の開始時には、メディアでも話題となり、小売業界にも影響を与えました。

また、省エネ性能にすぐれた家電や自動車をすすめる販売員を増やすため、2005年度から「環境マイスター研修・認定事業」をはじめました。これは販売員の方々に、温暖化や省エネについて講義と試験を受けていただき、合格した方を「環境マイスター」として認定する制度。地域の温暖化防止活動推進センターや事業者団体、県と協力し、山形県、和歌山県、大分県で実施し、2008年度6現在約580人の環境マイスターが誕生しています。
(写真)2008年度に認定された環境マイスターのみなさん(大分県)

これまでの14年に渡るグリーンコンシューマー活動の成果が評価され、2004年にグリーン購入ネットワーク(GPN)が主催する「第7回グリーン購入大賞」にて「環境大臣賞」を受賞しました。さらに、GPNの地域組織「京都グリーン購入ネットワーク」の事務局運営を任されることになり、京都府内のグリーン購入の促進に尽力しています。

また、2006年には、グリーンコンシューマーの視点から、エコロジカルな暮らしかたを提案する「大好き京都 環境市民の遊びかた 暮らしびかた」を発行。今の暮らしにも役立つ京都の伝統的な暮らしを交えながら、月ごとに、エコ暮らしのポイントをわかりやすく紹介しています。