1 求められる発想と行政手法の根本的改革 | 認定NPO法人 環境市民

1 求められる発想と行政手法の根本的改革

文:杦本 育生

21世紀において、世界中の自治体は、地域の様々な課題に取り組むとともに、地球規模の課題にも役割を果たすことが求められている。雇用、経済、環境、開発、福祉といった課題も、地域的視点とともに国際的な視点でとらえ、持続可能な地域社会を創りだしていく必要がある。しかし、このような課題のひとつをとってみても、地域的な解決さえうまくいっていない自治体が多数あるのが世界の現状である。また現状だけでなく、展望もなかなか見いだせていない。
日本の自治体をみても、地方の特性を無視した一律的かつハード中心の無展望な開発、権限の中央集中と地方分権化の遅滞、国依存かつ積極的な行政運営を恐れる自治体行政の体質などのうえに、バブル経済のつけで多くは財政的にも困難な状況にあり、またその状況が改善する見通しはない。このような、地方自治を巡る状況を真剣に考えれば、もう従来の行政手法による自治体運営では、求められる課題解決どころか地域社会そのものが成り立たなくなる恐れがあると考えざるをえない。大胆な発想の転換、行政手法の根本的な改革が、地域社会の将来そして世界の将来のために必須となっていると考えられる。

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