第4回 ふすまの補修と張り替え ~引き手と枠の取り付け~ | 認定NPO法人 環境市民

第4回 ふすまの補修と張り替え ~引き手と枠の取り付け~

築年数の古い日本家屋を大切に使い続けるために、破損部分の補修方法の紹介と、現代のライフスタイルに合わせて和室をエコリフォームする一例をご提案していきます。

いよいよ仕上げに入ります。
朝から枠を外し、破れた穴を補修し、本張りをし、糊が乾くのを待ちながら昼食を挟み、午後になりました。これから枠と取っ手を取り付けて、元のふすまの状態に戻していきます。
枠の色が剥げている所は、先に黒マジックで塗っておくと目立たなくなって良いでしょう。このときポイントとなるのは、枠に書いておいた番号です。間違えずに、元のふすまの元の位置に取り付けましょう。釘を打つ時は、釘と金槌のあいだに「釘締め(ポンチとも言う)」を挟み込んで打つと出っ張りが無くなり、ふすまの開閉時に引っ掛かりが少なくなります。
枠を取り付けられたら、ふすまを桟に戻します。戻す前に、桟に蝋を塗ると滑りが良くなります。桟の下は敷居に、上は側面に塗ります。新しいふすまがスルスル滑る快感を楽しんでください。
最後に取っ手をはめ戻して完了です。

※ふすま張りワークショップ DATA(2009年6月6日 実施)
・参加のべ人数:5名(2人分の作業を交互に体験。講師1名が指導。)
・内容:ふすま張り替え…2枚、穴の補修…1か所
・作業時間:約4時間

(文/ニュースレター編集部 千葉有紀子)

釘締め

作業プロセス写真館

ふすまの修繕のプロセスを多くの写真で分かりやすく紹介しています。

http://www.zorg.com/pub/albuml?al=32935&c=iilrlkqntn

1.縦枠を戻す

縦枠から元に戻す。縦枠内側の釘穴と、ふすま側の釘の位置を合わせてはめる。縦枠内側の溝に沿ってスライドさせながら大体の位置を決める。

2.横枠を戻す

横枠を戻す。取外しの際、枠から抜かずに残した釘を再利用。金槌で釘を軽く打っておく。両側から2人で同時に打つとゆがみが出にくい。

3.縦枠と横枠の角を合わせる

角を微調整。縦枠が横枠よりはみ出ると、ふすまの開閉時に引っ掛かるので、縦枠をやや凹ませる。位置を決めたら、全ての釘を打ち込んで固定する。

4.釘頭をさらに打ち込む

釘頭の引っ掛かりを無くすため、最後に釘頭を深く打ち込む。金槌と釘頭の間に釘締め(ポンチ)を挟むと、釘頭の周囲を破損することなく打ち込める。

5.引き手の位置に切り目を入れる

引き手が収まる位置に、カッターでふすま紙に十文字の切り目を入れる。さらに切り目を細かく入れて、最終的に12分割ほどにする。

6.ふすまに引き手をはめ戻す

引き手をはめ戻す。引き手の釘穴を、ふすま側の釘穴の位置と合わせ、小さな釘で上下2か所を固定。釘締め(ポンチ)を使うと作業しやすい。

協力: 表具師 古澤 利弘
表具仕事の多い京都で額装を主に40年以上されている。

次回は「ふすまのデザイン」です。