活火山と共に暮らす:雲仙普賢岳の教訓から | 認定NPO法人 環境市民

活火山と共に暮らす:雲仙普賢岳の教訓から

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秋の休日のお昼の時間帯、
もっとも緩やかな時間を、
突き破るように、御嶽山が噴火をしました。

ほとんど前触れもなく、
現代の科学を持ってしても、
予知できない状態と、
おそらくは何か機器の不備が重なり、
大きな災害となっています。
まだ、火山活動も収まりを見せていません。

以前、雲仙普賢岳の災害センターの方に、
お話を伺う機会がありました。

雲仙普賢岳の際は、
始めは、ゆっくりした噴火で、
それほどの人的被害はないものかと思われていました。

ところが、いきなり、それまでの噴火よりも、
活発な火山活動が起こり、
多くの人が巻き込まれました。

すでに警戒区域とされており、
立ち入り禁止エリアとなっていました。
取材をしていたマスコミや、火山研究者、
その警戒に当たった消防団員、
いわば、二次災害が多かったのが、
雲仙普賢岳の特徴でした。

今回の御嶽山では、
二次災害は起こっていませんが、
それだけ、火山活動というのは、
計り知れないものです。

救助活動が、なかなか進まないのも、
その教訓があるからではないかと思います。

火山の側で暮らす、
なぜそれでも、雲仙普賢岳の側で暮らすのですか?

まずはそこが故郷であることが一番で、
それから、
火山もそうですが、含めた自然が、
優しく、いっぱい恵みを、与えてくれるのだ。
それが答えでした。

ときには牙をむくが、
それ以上に優しいのが自然。
日本の美しい自然は、
火山とは切っても切れない縁があります。

それでも、大き過ぎる今回の災害、
少しでも早く、収束に向かうことを、
祈らずにはいられません。(ち)