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祝!国内小学校初 グリーンフラッグ取得 西在田小学校
カテゴリ: エコスクール日記 | 更新日:
これまで紹介してきた兵庫県加西市立西在田小学校が、2012年3月に、国内の小学校としてははじめてグリーンフラッグを取得しました。
グリーンフラッグとは
グリーンフラッグは、問題を見つけるところから活動を半年以上続けるところまで7つの活動ステップをクリアし、その取り組み内容や成果が審査によって認められると授与される認証旗のことです。エコスクールに取り組む学校は、このグリーンフラッグ取得をめざして活動を行っていますが、国内で小学校が認証取得したのは西在田小学校が初めてです。
エコスクール活動は国際環境基準のE M A S とISO14001に基づいています。P(計画)、D(実行)、C(評価)、A(改善)のサイクルが繰り返され、自分たちが定めた目標に近づき高めてゆくことが成果となりますが、子どもたちはそれ以上に多くの体験を得ています。
学年を超えて
西在田小学校の活動の大きな特徴である「縦割り班」では、年齢に関係なく全員が意見をだせるよう絵を描いて表現する等の工夫がされましたが、このプロセスで高学年の子どもたちは、みんなから意見を出してもらうことや意見をまとめてゆくこと、そして、どうすれば自分たちのやりたいことを形にできるのかを経験し、活動を実現させたことで大きな自信を持つことができました。中学年の子どもたちは、年上の子どもたちの姿をお手本に次は自分たちが同じ立場になることを自覚しはじめました。低学年の子どもたちも感じたことや思ったことを堂々と言えるようになりました。
120人以上が集まった報告会
11月の活動報告会には、全校児童数を上回る保護者や地域の人たち120人以上が集まり、体育館には取り組みへの思いと活動報告をする子どもたちの自信に満ちた元気な声が響き渡りました。保護者のみなさんからも一緒に活動をしてゆきたいという応援メッセージがあり、自分たちの活動を認め、めざす目標を一緒に実現しようとしてくれている地域のみなさんからの惜しみない協力も、子どもたちへの大きな応援となりました。
審査にドキドキ
その後、2月にはグリーンフラッグの審査員が学校を訪問し、子どもたちに活動の目標や取り組み状況を聞きました。子どもたちはドキドキしながらも質問にハキハキと答えましたが、予想外の回答が飛び出す等、先生方のほうが緊張していたそうです。
待ちに待ったグリーンフラッグが到着したのは3月の卒業式の3日前でした。それまで、何人もの子どもたちや保護者から結果を気にかける声が学校に寄せられたそうで、さっそく「学校だより」で保護者のみなさんにもお知らせしました。さらに、4月24日にはお披露目の意味も込めてグリーンフラッグ授与式が行われます。
これからがはじまり
エコスクールの活動はグリーンフラッグを取得すれば終了するというわけではありません。グリーンフラッグはあくまで通過点です。今後は、1年目で育てた取り組みの芽を、2年目、3年目と年を経ながら大きく育ててゆくことになります。西在田小学校では1年目に11の活動をスタートさせました。2年目には、全ての活動を同時にすすめるのではなく、みんながめざす「かがやけ若井川」に近づけるようにエコスクール委員会のメンバーを中心にひとつずつ深め、全校児童で取り組んでゆく予定です。
自分たちの生まれ育った地域に関心を持ち、大人の協力を得ながら地域の問題を自分たちで解決してゆく経験をした子どもたちの成長は、地域の何よりの宝になるのではないかと考えます。エコスクール活動は、持続可能な地域づくりに大切な「人」を育む活動です。みなさんの地域の学校でも取り組むことは可能ですので、関心をもたれた方はぜひご相談下さい。
(文/本会理事 下村 委津子)