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私の好きな木
カテゴリ: 電子かわら版コラム | 更新日:
このコーナーでは、ウェブやメールマガジンの企画運営を行っている「電子かわら版チーム」メンバーのコラムを紹介しています。一緒に企画運営をしたいボランティアも随時募集中です。関心のある方は京都事務局まで。
今年度は「私の好きな木」の活動に参加していました。
学校の理科の先生たちが中心となって、
京都府立植物園を舞台に通年で行われる
環境学習プログラムです。
春夏秋冬に1枚ずつ、年の最初に選んだ「私の好きな木」
のスケッチをします。
知識を与えるのが目的の活動ではないので、参加者は木を
見て、さわって、抱いて、嗅いで、自ら感じ取ったものと
対話をしながら、木と付き合っていきます。
年間4回のスケッチと、観察記録をまとめる回、そして
発表する回とで、全6回の活動がありました。
小学生からシニア層まで、幅広く参加していました。
「ぼくの木は、ぼくの45人分あります」という1年生。
木は「自然の工夫をもっと知って」と自分に言っていると
思う、と語った4年生。
常緑樹のマツを選んでしまい、「失敗した、と思ったけど、
意外と変化があった」という6年生。
春に小鳥がうろに巣を作っている木を選び、真夏にその
うろ内の温度が外気より4℃も低いことを発見した中学生。
木の名札の裏に虫がたくさんいたのを、鳥がせっせと
運び出して行き、最後には全部の虫が食べ尽くされた
ことを感心しながら報告してくれた大人。
最後の発表会では、一人ひとりが、1年の間に深い体験を
したことが感じられました。
私の好きな木は、エノキの大木。他の木が生えていない
方向に幹を傾け枝を精一杯伸ばし、ツタやケヤキや
コケや地衣やシダと共生し、サシガメやアリや鳥たちが
一緒に生きていました。
木は四季折々に違う姿を見せてくれ、終わりの方では
なんとなく、その気持ちがわかるようになったような
気がします。
今年度、私が見逃した他のシーズンには、どんなふうに
生きていたのでしょう。気になるので、この木のもとに
また通ってしまいそうです。
ありがとう、私の好きな木。
(げの字)
※「私の好きな木」ホームページ
http://www5f.biglobe.ne.jp/~sukinaki/