引っ越しで見つかった「お宝」紹介 その2「地球サミット、アジェンダ21」他 | 認定NPO法人 環境市民

引っ越しで見つかった「お宝」紹介 その2「地球サミット、アジェンダ21」他

このコーナーは,2002年から2013年まで環境市民の事務局長を務めた堀孝弘が,在職時に書いたブログを掲載しています。

引っ越しで見つかった「お宝」紹介 その2「地球サミット・アジェンダ21他」

環境市民の事務所の引っ越しで見つかった「お宝」を紹介します。すでにFacebookでも紹介していますが、もう少し詳しく紹介します。

《地球サミット、アジェンダ21》
表紙写真の右下は、1992年ブラジル・リオデジャネイロで開催された地球サミットで採択された「アジェンダ21」の全文を掲載した冊子。21世紀人類が存続するための課題をあらわしたもので、もちろん全文英文です。環境市民の現在の代表理事・杦本育生が入手したもので、地球サミットに向けてもたらされた様々な情報が、環境市民設立への機運を高めました。

《地球温暖化に関する資料》
左下は、1994年にIPCC(気候変動政府間パネル)が出した気候変動(温暖化)の影響評価のための技術的ガイドライン。この当時は、環境問題に関心があっても「地球温暖化問題」について知らない人が多くいました。そんな時代の資料です。

《ドイツの環境NGOは、ここまでやっていた》
右上の冊子は、ドイツ最大の環境NGO・ブントが1990年代はじめに出した「持続可能なドイツ」。1994年3月ドイツ・スイス・スウェーデンへの環境視察の際に入手した資料で、これは帰国後、ドイツ語から日本語への翻訳をしました。今回邦訳資料とあわせて見つかりました。地球サミットの直後、社会が持続できる条件を分析し、提示していた環境NGOがあること自体驚きです。

左上は、同じく94年の欧州環境対策視察で持ち帰った資料で、ブントがヘルティというスーパーと協働で進めていた容器包装削減の取り組みを紹介した冊子です。環境NGOと企業が目的を共有して、対等な立場で環境対策(この場合、包装削減)に取り組んでいること自体、すごく刺激的に感じました。内容も、たとえば「衣料品はビニル製袋などで包装せず、そのまま店頭に陳列する」など、今見て「ここまでやるか」と思う取り組みが紹介されていました(ただ、残念ながらヘルティはその後、より大規模な流通事業者に吸収されました)。

《DSD社の資料と、その後大事にしている考え》

他、ドイツ国内の使用済み容器包装のリサイクルを担っていたDSD(デュアル・システム・ドイチュラント)社の本社(ボン)を訪問した際、入手した資料なども見つかっています。この訪問のやりとりで印象に残っていることがあります。DSD社の広報担当者が、DSD社が如何にドイツの容器包装を少なくしていくことに貢献しているか、次々と事例をあげて紹介してくれました。

ただ、そのことによりDSD社に入るリサイクル委託金は減っていきます。そのことについて通訳さんを介して質問しました。「御社の働きかけにより、御社に入るリサイクル委託金は減るが、御社としては、それで良いのか」と。返答は明確でした。「それが当社のミッションですから」というものでした。利益よりも、その組織の設立目的を大切にするという考えは、この後、私にとってNGO活動を続けていくにあたって軸となりました。

様々なことを思い出させてくれる資料が出てきました。