まちの節電、こんなことできるはず 5 | 認定NPO法人 環境市民

まちの節電、こんなことできるはず 5

このコーナーは,2002年から2013年まで環境市民の事務局長を務めた堀孝弘が,在職時に書いたブログを掲載しています。

  少し写真が小さくてわかりにくいかもしれません。左側に、スーパーマーケットの野菜売り場と飲料売り場の写真を縦に並べています。右はコンビニエンスストアの飲料売り場と調理パン売り場の写真を縦に並べています。スーパーとコンビニ2枚ずつ掲示していますが、それぞれ別の店です。

 
お気づきでしょうか。スーパーの冷蔵ショーケースは各段に照明がついていて、野菜などはすぐ上の蛍光灯に常に照らされています。コンビニのショーケースは、トップにライトがあるだけで各段に照明はありません。しかも右上の写真の場合、奥に写っている扉付きショーケースは、中の照明を消しています。この写真は、大震災の後、東京都内で撮った写真ですが、関西のコンビニでも扉付きショーケース内を消灯している店があります。
 
左上の写真は、大震災後の東京都内のスーパーで撮った写真です。節電が浸透したと思われる関東でも、スーパーでは各段の照明で商品を照らしています。これにより単に「電気を多く使う」だけでなく、生鮮食品の劣化を早めます。それを防ぐため、より強い冷気が必要になり、通路にまで冷気があふれ出す…、そのようなことにもつながります。
 
実際にスーパーとコンビニ店内に入ったときの体感を比べると、スーパーの方が寒く感じます。もちろんスーパーの方が生鮮食品の扱いが多く、単純な比較はできませんが、コンビニの取り組みにも注目する必要があるでしょう。
 
朝日新聞6月2日付けの「私の視点」というコーナーに、スーパーマーケット経営の佐藤仁義(ひとよし)さんの記事が掲載されていました。この方はスーパーを経営して50年になるベテラン経営者で、そこには体験に基づく話として、様々な工夫により店内で使う電力の半減に成功した事例が紹介されていました。幾つかの取り組みのひとつとして、冷蔵ショーケース内の照明をトップライトのみにしたことが紹介されていました。それでもお客さんに不便なく、商品の見栄えも悪くならないよう様々な工夫をするとともに、各棚の消灯により、従来より弱い冷気で鮮度保持ができるようになり、このことも省エネ・節電につながったとのことです。他にも、ショーケースからの冷気もれ対策として、商品の大量陳列でなく、小出しに陳列することなども、すぐできる取り組みとして紹介されていました。
 
話を戻すと、あらためてスーパーとコンビニの取り組みを比べると、コンビニの方が省エネ・節電の取り組みが進展している場合もあります。スーパーとコンビニ、国内と海外、それぞれの良いところをつむぎ合わせていくと、より優れた取り組みが実現します。その一方、利用者である消費者にも、「こんなものにまでエネルギーや電気を使わなくて良い」という割り切りも必要と思います。
その1つの例として、スーパーのショーケースの各段照明を取り上げました。
 
 
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