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サイクルトレインで出かけよう
カテゴリ: 電子かわら版コラム | 更新日:
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朝、米原駅サイクルステーションに集合。レンタサイクルを利用したり自分の愛車を持ってきたりした女子6人で、自転車を押して近江鉄道に乗り込みました。
五箇荘駅で降りて自転車で走り出し、近くの近江商人屋敷で公開されている雛人形を何体も堪能しました。
そこから自転車で中山道を北上し、豊郷駅の周辺でも雛めぐり。
途中には老舗の和菓子屋さんや酒蔵に寄り、女子らしくかわいいものとおいしいものを楽しみながら、最後は自転車で米原駅まで完走しました。
日本では鉄道に自転車を載せようと思うと、
自転車の車輪を外し専用の袋に入れて持ち運ぶ
「輪行」という方法が指定されていることが一般的です。
重い上に工具がないと車輪を外せないシティサイクル(ママチャリ)では無理で、
スポーツバイクか折りたたみ自転車でないと輪行はできません。
スポーツバイクなら輪行できるとはいえ、軽いものでも7kg以上はあるのが通常で、
大きさもあるため小柄な人が持って歩くには難儀します。
よろけたりぶつけたりして青あざを作ってしまうし、車体を傷めることもあります。
自転車の分解や組み立てには技術も必要で、慣れない人にはかなり難しいもの。
そんな大変な想いをしなくても、
自転車を押していってそのまま乗り込めてしまうのがサイクルトレインです。
海外では自転車が鉄道に乗っているのを見たことがある方もいるでしょう。
欧州や米国、韓国などでも見られ、
日本のように輪行という方法が指定されているのはむしろ特殊と言えます。
狭い国土に人口の多い日本は諸外国に比べて乗車密度が高いため、
混んだ車内に自転車を持ち込むのは物理的に難しいという事情があります。
そんな日本でも、全国の74社152路線でサイクルトレインが運行されています(2023年度現在)。
実施方法はその路線によって様々で、常時の運行は1割弱、
特定の区間や時間帯での運行が約6割、その他イベントでの特別運行など。
持ち込み料金が必要な場合もあれば、持ち込める自転車のサイズに規定がある場合もあり、
逆にほとんど制約なしで自由に持ち込める路線もあります。
誰かとサイクルトレインで出かけると、
自転車で走っているときはおしゃべりできませんが、
車内では話に花を咲かせ、鉄道も自転車もコミュニケーションも楽しめます。
遠くて自転車で行きづらい場所でも、片道は鉄道を利用することで
サイクリングの敷居が下がるという利点もあります。
近年は国土交通省もサイクルトレイン推しになっていて、
公共交通の維持や地域活性化のために自治体も注目しているため、
実施路線はこれからさらに広まっていきそうです。
「サイクルトレイン」で検索すると、各地の運行情報が出てきます。
この春の行楽はサイクルトレインを活用して、
サイクリング×鉄道の旅を楽しむのはいかがでしょうか。
(げの字)
(参考)
外部サイト:国土交通省 サイクルトレインを始めませんか
列車内の自転車の持ち込みが普通の景色になることを目指して
外部サイト:近江鉄道サイクルトレイン
<今週のコラムニスト>
ペンネーム:げの字
環境市民の設立3年目からの会員で、かつて事務局スタッフとして広報や環境教育を担当。
現在は滋賀県内で自転車通勤やエコ交通の推進のため、日々スポーツバイクと公共交通で駆け回っている。