プラスチック減は捨てるときも楽チン | 認定NPO法人 環境市民

プラスチック減は捨てるときも楽チン

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プラスチック条約の策定のための国際会議が11月25日から12月1日まで韓国の釜山で開かれました。
条約の策定は2024年末までを目指していたため、今回の会議で条文案がほぼ決まるのではと思われましたが、プラスチックのライフサイクル(製造・使用・廃棄)、化学物質の問題など各国の意見が出される中、合意を得ることはできませんでした。

でも、条約が決まろうと決まらなかろうと、減プラスチックの動きが加速していることを10月に訪問したスイスで実感しました。
円安で当時は1スイスフラン172円。
夕食はもっぱら近所のCOOPでパンや惣菜を購入して部屋で食べるという日々だったのですが、そのおかげで、どんな売り方がされているのかをじっくり観察できました。
また、惣菜売り場でサラダやチーズを選ぶときに気づいたのは、
容器がプラスチックでないものが多かったことです。

パン売り場のコーナーでは、
天然素材のカゴに入れられた何種類ものパンがずらりと並んでいます。
個包装はされておらず、
購入する人は持ち帰り用の紙袋に直接入れるようになっており、
パンをのせるためのプラスチックトレイはありません。
大好きなプレッツェルを買った時も、
備え付けのトングで必要な個数を袋に入れて他の購入品と一緒にレジで精算する方式でした。
日本で見かけないパンの袋や惣菜の容器は、
決して日本でできないものではなく、むしろ日本こそ得意なものづくりに感じました。

パンの袋は表部分のみ透明のプラスチックで、
あとは紙の素材が使われていました。
驚いたのは袋から出して食べ終わったあとです。
ごみとして捨てようとして気づきました。
プラ部分と紙の部分が簡単にペリペリと剥がせて分別できるのです。
また、キャロットラペが入っていた惣菜容器も蓋の部分はプラでしたが容器は紙製で、
同じようにプラ部分をペリペリと剥がしてあっという間に分別できます。

買った後も消費者にできるだけ負担をかけず、
販売側も最低限のプラ使用での提供の取り組み。
ちょっとした工夫でプラ減はできるのだとあらためて納得しました。
日本の容器包装に関わる事業者さんと商品を販売する事業者さん、
消費者に向けての啓発にもつながる取り組みを応援したい人はたくさんいます。
ぜひ一緒に取り組みましょう。
(イバラノカンザシ)

<今週のコラムニスト>
ペンネーム:イバラノカンザシ

ドリトル先生に憧れ、海の中の生きものといつか話ができることを夢見て世界の海に潜り続けています。
最近、海の中にいると一瞬エラ呼吸できそうな気分になります。