能登へのボランティア | 認定NPO法人 環境市民

能登へのボランティア

このコーナーでは、ウェブやメールマガジンの企画運営を行っている「電子かわら版チーム」メンバーのコラムを紹介しています。一緒に企画運営をしたいボランティアも随時募集中です。関心のある方は京都事務局まで。

4月に輪島を訪ねたときは、地震で隆起した道路、崩壊した家々、まちのあちこちに手付かずのまま瓦礫が積み上げられた風景の中で、戸惑いながらも前に進もうという人々の声が早くも聞こえていました。
2度目の訪問は8月、この頃には一日も早く日常を取り戻そうという思いが形に現れたように、重機が細い道にも入り、整地された場所や商売を再開した店も見かけました。
その思いは、縮小版ながらキリコ祭りを復活させるところまでこぎつけました。

ところが復興へと歩み出した能登の人たちに、9月21日豪雨が襲い、
テレビ報道の映像が今年2度目の能登の災害現場を映し出していました。
輪島には、以前スタッフとして環境市民で活動してくれていた人がいたため、
その無事を確認しほっと安堵したものの、
次にどのような言葉をかければいいのか、正直すぐには出てきませんでした。
そんな私の気弱な気持ちを吹き飛ばしたのは、
前述の炊き出し支援に毎月能登に出かけている人たちでした。
22日夜に現地からの要請はあったものの、
道路の状況確認など炊き出しに行けるかを検討し、
23日には食材が揃えられることを確認、24日に出発、
25日に700食の炊き出しを実行することを決めたのでした。
大きなパエリア鍋を積んだ車に私も同乗し、24日朝に輪島に向け出発しました。
途中、自分たちの水や食料を準備しながら進むと、
あちこちで土砂崩れや大木が根っこから薙ぎ倒され
橋桁に引っかかっている光景を目の当たりにしました。

炊き出しの場所となっている輪島の重蔵神社に到着すると、
すでに住民の皆さんへの支援物資の配布が始められていました。
地震と水害では必要なものや必要な支援の内容が変わってきますが、
早くも対応されている様子をみて話を伺うと、
「とにかく人手がほしい。支援物資があっても届けることもできない。
取りに来ることができない人へ配布したい、どうかボランティアに来てほしい」
と訴えておられました。

必要とされる物品も刻一刻と変わっていきます。
昨日、欲しかったものが今日には山ほど届き、
すぐにストップしなければ支援物資の保管テントはいっぱいになります。
先を読むのが難しく、緊張感の続く中で、住民のみなさんは辛さや不安、
悔しさを飲み込み、炊き出し配食時に出会った知り合い同士、
お互いの無事を喜び、大変さを励まし合っておられました。
やっと言葉にできた「大変でしたね」の声がけに、
ポツポツと話をしてくださった方の
言葉が胸に沁み「私たちも一緒に復興に向けて頑張ります」
と心の中で話しかけました。

先日、環境市民から使い古しのタオル募集の呼びかけをしたところ、
あっという間に大量に集まったことからもわかるように、
能登の人たちに何か協力をしたいと思っている人たちがたくさんおられます。
今後も、決して能登を忘れない、寄り添って応援していきたいという想いを込めて、
このコラムで環境市民から運んだ支援物品の報告や
炊き出しボランティアの報告などをしていきたいと思います。
(イバラノカンザシ)

<今週のコラムニスト>
ペンネーム:イバラノカンザシ

ドリトル先生に憧れ、海の中の生きものといつか話ができることを夢見て世界の海に潜り続けています。
最近、海の中にいると一瞬エラ呼吸できそうな気分になります。