日本全国みんなでつくるサンゴマップ | 認定NPO法人 環境市民

日本全国みんなでつくるサンゴマップ

このコーナーでは、ウェブやメールマガジンの企画運営を行っている「電子かわら版チーム」メンバーのコラムを紹介しています。一緒に企画運営をしたいボランティアも随時募集中です。関心のある方は京都事務局まで。

熱を持ったビルや道路、車やエアコンの室外機からの熱風、自動販売機などにより、都心部では夜になっても気温が下がらないヒートアイランド現象が起きています。
では、海の中はどうでしょうか。
海は地球全体の熱エネルギーの9割を吸収していると言われています。
毎年、海が地球の熱を吸収し蓄積していっているとも言えるでしょう。
そのため海面水温・海水温も影響を受けています。

4月には、「昨年から今年にかけて第四回世界規模サンゴ白化が発生している」と、
NOAA(米国大気海洋庁)からの発表がありました。
沖縄でも海水温が高くサンゴへの影響が心配されていましたが、
7月下旬に石垣島付近にやってきた台風が海の中を撹拌してくれ、
少しは海水温も下がったかとホッとしたのも束の間、
その後、再び海水温は高い温度を保ったままとなり
サンゴの白化現象が目立ってきました。

サンゴを中心とした生きものが
長い時間かけてつくった地形がサンゴ礁です。
サンゴ礁は「命のゆりかご」と言われるほど
多くの生きものを育んでおり、貴重な生態系をつくりだしています。
しかし、海水温が高くなりすぎると
サンゴに共生している褐虫藻が逃げ出し、
サンゴの骨格が剥き出しとなる白化という現象が見られます。
褐虫藻を失ったサンゴは光合成で得られる栄養を失ってしまい、
やがて死んでしまいます。
他にも二酸化炭素が溶けて起こる海洋酸性化も
サンゴに影響を及ぼすと言われています。

このサンゴの状態を市民調査で記録していこうと
「日本全国みんなでつくるサンゴマップ」の活動が行われています。
サンゴの白化は、
サンゴ礁の生きものたちに大きな影響を与えることから、
情報を集めることでサンゴ礁の生きものたちへの影響を知ったり
保全のために活用できます。
「日本全国みんなでつくるサンゴマップ」では、
専門知識が無くても投稿できるように工夫してあるとのことなので、
夏休み、お盆休みに海に行ってサンゴの写真を撮影した方は、
ぜひ投稿してください。

日本全国みんなでつくるサンゴマップ

気象庁 海面水温実況図

<今週のコラムニスト>
ペンネーム:イバラノカンザシ

ドリトル先生に憧れ、海の中の生きものといつか話ができることを夢見て世界の海に潜り続けています。
最近、海の中にいると一瞬エラ呼吸できそうな気分になります。