韓国、中国の人たちと環境の取り組み情報交換 | 認定NPO法人 環境市民

韓国、中国の人たちと環境の取り組み情報交換

2010年の8月から9月にかけて、韓国、中国からの大学生や市民団体の方が環境市民を訪問。環境市民の活動や京都や日本で行われている環境活動を紹介し、お互いの環境の取り組み事情を情報交換しました。

20109月15日

環境市民は、持続可能な社会をつくるため、「世界中の人々やNGOと協働する」というミッションを掲げています。ここには、国境を超えて、人と人が直接協力して社会を変えていきたい、という思いがあります。
今年、8月から9月にかけて、韓国、中国からの大学生や市民団体の方から、環境市民の活動を紹介するヒアリングを三件受けました。このような機会を通して、アジア、そして世界の人たちとのつながりを深め、いつか、持続可能な社会づくりにつながる具体的な動きを展開していければと考えています。

韓国学生訪問:理想的な都市ってどんなところ?

8月10日(水)、京都で開催された「第5回日韓学生未来会議」に参加していた日韓の大学生チーム6人が事務所を訪れました。会議のテーマは、日韓の学生がアイデアを出し合い、京都をモデル都市として、理想的な都市づくりを考えるというもの。そこで、「環境に配慮した都市づくり」を提案するチームが、環境市民の活動をヒアリングしにやってきました。

学生たちの関心は、自転車チームの自転車マップづくりに至る経緯や、日本の環境首都コンテストの詳しい内容など。「自転車とLRT(路面電車)は共存できるか?」「自転車を増やすために、駐輪場以外のハード面で何が必要か?」などの質問があり、韓国の学生からは、韓国の自転車事情の現状説明も。

まちは生きもので、変わり続けていることなどマップを広げながら伝えました。環境首都コンテストについては、「行政の仕組みはコンテストで変えられるのか?」「コンテストの存在意義は?」という質問が。あるべき都市を考えるとき、やることはたくさんある、5年後10年後の時間軸の中で優先的な項目を考えていくことが大事であることを伝えました。

中国学生訪問:京都・三条を歩いて体感

8月28日(土)の午後、北京大学の学生6人、京大生3人(内、中国の方二人、日本人一人)、が京都事務局にやってきました。この日のヒアリングは、京都大学と北京大学の国際交流活動の一環で、双方の学生が、それぞれの現地で、伝統や農業といったテーマのもとに、フィールドワークを行い、都市に密着した問題の解決策を考える、というもの。環境市民に来た学生は、「都市交通と環境保全」をテーマにエコな交通を考えるチームでした。

環境市民の活動を紹介したあと、京都を自転車の走りやすいまちにするために作成した、「京都 自転車マップ」や京都の交通事情、日本やドイツの公共交通について紹介しました。北京大生からは、「自転車交通をすすめると、廃棄しなければいけない自転車が増えるのでは?」「電気自動車など新しい環境技術に環境市民はどう関わっているの?」などいろんな質問がでました。

最後は、歩行者が車と共存する三条通(京都市中京区)を実際に歩き、歩いて楽しめるまちを体感していただきました。歩行者に遠慮しながら通っていく自動車の様子に「どうやったらこうなるのか」とまた質問が。ちなみに、今回の通訳は全て北京大生。すらすらと中国語に翻訳してくれました。その様子にもびっくりしつつ、国境を超えて、直接人と人とが交流する魅力、面白さを感じました。

韓国市民団体訪問:いつか韓国と日本で協働プロジェクトを

9月1日(水)、韓国市民団体の日本研修プログラムのなかで、環境市民が講演を行いました。プログラムは、韓国政府後援のもと、(社)韓日未来フォーラムが、日本の市民団体を訪問・視察するもの。そこで、先進的な環境の取り組みをしている団体として、環境市民が訪問依頼を受けました。参加者は、政府関係者、市民団体の幹部の方、大学教授、の32人。大型バスに乗って、通訳者、旅行ガイドさんと共に京都までやってこられました。

杦本代表理事から環境市民の活動が説明されるな か、参加者はメモや写真をとったり、時々頷いたり熱心な様子。質疑応答では、「団体運営の資金はどうやって確保しているのか?」「市民団体の活動に自治体参加を促す方法があれば教えてほしい」「子ども向け環境教育についてNPOから学校に働きかけるにはどうしたらいいか?」などの質問が出ました。

1時間半の講演は「いつか、韓国と日本の協働で持続可能な社会の実現をめざすプログラムをつくることができればと思う」という杦本代表理事の言葉でしめくくられました。