3 グリーンコンシューマー活動の効果 | 認定NPO法人 環境市民

3 グリーンコンシューマー活動の効果

温暖化防止にも効果

温暖化防止のために、電気をこまめに消したり、シャワーの時間を短くしたり、ということも大事ですが、このような「がまん」ばかりでは大きな広がりを生み出すことは難しいでしょう。グリーンコンシューマーは「ものの使い方」ではなく「ものの選び方」を工夫し、がまんに頼りすぎず大きな効果を生み出します。

例えば、家電製品であれば、性能やデザインに加えて「省エネ性能」をチェックしましょう。省エネ性能が高いものは、購入価格が高いことがありますが、使用時の電気代が安いので、結局省エネ性能が低いものよりトータルコストは安くなります。(図 p54 図10)電気代が安いということは、その分、エネルギー使用量が少ない、つまり二酸化炭素の排出量が少ない、ということにつながりますから温暖化防止にもつながります。

家電製品の省エネ性能は年々向上し、例えばエアコンは10年前と比較すると消費電力がおよそ半減しています。エアコン、冷蔵庫は家庭の消費電力の約4割をしめ、約10年と長期間使用することがほとんどですから特に買い換えの際は省エネ効率のよいものを選びましょう。

省エネ性能は、「省エネラベル」(写真右)でチェックすることができます。★の数で省エネ性能が一目でわかるようになっています。また、年間あたりの目安電気料金や消費電力量で製品比較をすることができます。

環境を大切にするには自動車に依存しない社会をつくることが重要です。ただ、現状では、車を使わないと仕事や生活ができない人も多くいることでしょう。車は、燃費のよいものを選ぶことによって、二酸化炭素の排出量を削減することができます。車は特に製造時よりも走行時に排出される二酸化炭素の量が約85%占めているので(右上図)、燃費で選べば温暖化防止効果が高まります。当然、低燃費車はガソリン代も安くすみ、自動車税も軽減されるのでお財布にもお得です。例えば1490〜1498ccのガソリン車を比較すると、大きなところでは4km/lの差があります。年間1,000km走るとすると、ガソリン代の差は毎年約32,500円になります。
※同時に人体や生物に有毒なガスの発生の少ない低排出ガス車であることも要件として必要です。

さらに、食材は、「近くで生産されたもの」、「旬のもの」を選ぶことによって温暖化防止をすすめることができます。

食べ物を遠くから運んでくる、ということはそれだけ輸送エネルギーがかかります。例えば、かぼちゃを例にとると、日本で消費した場合、主要産地である北海道とニュージーランドを比較すると、その距離の差は12倍になります。これを二酸化炭素の排出量で比較するとその差は1.4kg。コンセントをこまめに抜いた場合の省エネ効果の約85日分にあたります。近くで生産されたものを選ぶことは、地域に雇用も生まれ、地域経済の活性化にもつながります。

※かぼちゃ1個を1kgで計算。ニュージーランドから輸入した場合の距離11770km、北海道からの輸送距離965km。二酸化炭素換算すると1.4kgの差。テレビや洗濯機のコンセントからプラグをこまめに抜いた場合の1世帯あたりの年間CO2削減効果は60.1kg。これを365日で割ると1日あたり16.4gの削減になる。1400÷16.4=85.3…約85日分にあたる。
参考:環境省/身近な地球温暖化対策-家庭でできる10の取り組み<2007.4 改訂版>

季節はずれの野菜をハウス加温栽培した場合に必要なエネルギー量は、旬の野菜と比較した場合、約5から10倍もの差になります。季節はずれの野菜をつくるためには、石油をたくさん使ってつくるわけですから、その分二酸化炭素の排出量が増えます。旬の野菜は、その時期にたくさんできるので価格も安く、栄養価が高く、健康にもいい、といいことづくしです。(p72 図4)

ごみ削減にも効果

グリーンコンシューマーのもの選びはごみの削減にも効果があります。ごみを減らすためには、ごみが発生した後にどう分別するか、ではなく、ごみになるものが少ない商品を選ぶことが大事です。

特に容器包装ごみは容積比にして家庭ごみの約6割をしめています。ですから、買う際には、ごみになる容器包装ができる限り少ないものを選びましょう。野菜であればできる限りラップされていないはだか売りのもの、お菓子でも個別包装していないものを選びましょう。飲料であれば、洗って何度も使えるリユースびんをおすすめします。

ペットボトルやびん、缶類はリサイクルするのでよいのでは?と思う方もいるかもしれません。しかし、リサイクルが進んだ結果、それらの消費量は右肩上がりで増え続け、年間400億本を軽く超えています。資源を大量に使い続けている現状はなんら変わりありません。また、自治体の処理費用(私たちの税金!)はかさむ一方。びんをリサイクルすることはリユースびんに比べて約3倍環境への負荷がかかります。しかし、省資源型で優秀なリユースびんは、最も使われているビールびんでもわずか売り上げの約1割流通する程度で絶滅の危機にあります。

このように、大量の資源を使うのか、省資源型でいくのかは私たちが何を選ぶかで大きく変わってくるのです。