製紙メーカー古紙偽装について | 認定NPO法人 環境市民

製紙メーカー古紙偽装について

2008年1月 18日

製紙メーカーの古紙偽装について 環境偽装で片付けられない

日本製紙に続き、1月18日には、王子製紙、大王製紙、 三菱製紙、北越製紙など、業界トップメーカー5社がそろって再生紙の 偽装を続けてきたことが明らかになった。
最初に発覚した日本製紙は、「たとえ環境偽装と言われたとしても、これを否定できる ものではありません」 と言っている。しかし、今回の事件は、5社まとめて「詐欺」そのものである。 国や地方自治体の調達基準に満たない製品を偽って納入し、 税金を騙しとっていたわけで、マスコミも「偽装」という言葉 で片付けず、明確に「詐欺」「企業犯罪」と表現するべきである。

また、市民の環境行動、中でも我々のようなグリーン購入の 普及につとめてきた市民団体の信頼に対する重大な裏切りでも ある。我々が購入した紙製品の中にも、これらのメーカーの製品もあるだろう。仕様を信じて購入してきた者として、そのショックは大きいが、 市民の環境行動に対して将来にわたるマイナスの影響が出ないか 心配している。さらには、長年にわたり営々と築き上げてきた 市民団体と企業の信頼関係も大きく損なわせることになったと 言わざるを得ない。

一方、グリーン購入を推進する立場として、活動の方向性に 変更が出るわけではない。これまでと同様、環境に配慮した製品 の普及に努めなければならない。しかし、大きな制約も見えた。 企業の自主的な情報開示に任せておくだけでは、今回のような ことは防げない。国もグリーン購入法という法律をつくった以上、 調達方針の条件を満たす製品が否かをチェックする機関をつくる 責任がある。そこには、市民団体関係者が主要メンバーとして入 り、公平性と実行性を高める必要がある。
今回の事件は許し難い詐欺行為であるが、これを反面教師とし て、社会の発展に役立たせるべきである。

●古紙偽装について
年賀はがきをはじめ、コピー用紙や印刷用紙などで、「再生用紙」 として販売していた紙の古紙配合率が、実際には下回っていたこ とが明らかになりました。最新の情報は新聞テレビ、インターネット でご確認ください。

●環境市民が使用しているコピー用紙について
環境市民では、中部リサイクル運動市民の会が、製紙メーカーと共同開発した新聞古紙100%・白色度60% (正確には59%) のコピー用紙「エコペーパー100」 を使用しており、配合率の証明を受け取っています(詳細)。古紙偽装に関連して、古紙を配合すると品質を保てないといった主張が製紙メーカーからでていますが、私たちが使っている紙は一般業務を行う上でほとんど不足はありません。

環境市民は設立以来、エコな買い物を働きかけてきました

グリーンコンシューマー活動

環境市民はミッションの一つに「豊かなライフスタイルを創造 する」を掲げ、グリーンコンシューマー活動を展開しています。 グリーンコンシューマーは、環境に配慮された商品、サービス を選択する主体的な消費者を意味し、もの選びを通して 社会を変えていくことができます。 だれもがすぐに実践できる活動です。

グリーン購入ネットワーク

自治体や企業などが環境配慮型の商品、サービスを選ぶことに よってグリーンな市場をつくることを目的とした団体。 環境市民は設立当初からかかわり、環境市民の代表理事でも あるすぎ本育生が代表理事を務めています。ウェブサイトはこちら

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