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干し芋と脱炭素社会
カテゴリ: 電子かわら版コラム | 更新日:
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干し芋を作るときは、
好みの甘さに合わせて、芋の種類を選びます。
また、切るときは、食べやすさや見た目の美しさを考えて、
短冊状やサイコロ状にします。
その芋を、私は台所用品で作った即席の干し網の上に並べて
ベランダへ持って行き、日中、冷たく乾燥した空気にさらしました。
徐々に水分が抜けていき、
5日ほどたつとスーパーで売っているような硬さになりますが、
もっと硬めに仕上げたいなら、それよりも長く干すと良いそうです。
ただ、雨の日や夜間は干し芋づくりの大敵。
室内に取り込まないとカビが繁殖します。
室内でも、湿度の高い暖かな部屋に芋を置いておくと、
数日経った鏡餅のようにカビが生えてしまうので
気を付けなければなりません。
シンプルだけど難しい。
先人の食文化に感心するとともに、
上手な作り方についてあーでもない、こーでもない、
と仲間と会話するのはとても楽しかったです。
そうか、こうして自然と折り合い、仲間と語らい、
必要なエネルギーだけを使う暮らしが、
私の目指す暮らしの姿ではないかと感じました。
さて、近年、世界中で脱炭素社会に向けた動きが大きくなり、
国内でも電力の固定価格買取制度の導入によって
再エネ電気の導入が飛躍的な進歩を見せています。
金融分野では、電力における環境価値を証券化した売買や、
環境関連事業に充当する資金を調達するための
債券の発行が活発化しています。
こうした動きは歓迎すべきことではありますが、
一方で、再エネ電気ならいくら使っても構わないと考える人が現れたり、
巨大バイオマス発電所のために無計画な森林伐採が行われることもあり、
社会の実態としては大量生産・大量消費に
歯止めがかかっていないのではないかと危惧します。
脱炭素化社会における暮らしの姿を社会に問うこと。
これは、NPOにおける社会的役割だと思うのです。
そんなことを考えた干し芋づくりでした。
ただ、やっぱり、干し芋づくりは難しい。
干してから5日目には、盛大にカビが生えてしまいました。
(くらげ)
<執筆者紹介>
ペンネーム:くらげ
小さい頃から、曲線に心惹かれています。海も空も曲線が美しい。
曲線が持つ無限のバリエーションはすばらしく、
変化する様子を見るのは飽きません。
曲線への興味を通じて、気候について勉強したような気がします。
いつまでも、きれいな曲線を残したい。