ウソも100回言えば…… | 認定NPO法人 環境市民

ウソも100回言えば……

このコーナーでは環境市民の事務局スタッフを中心に、今すすめているプロジェクトのナマ情報や、スタッフならではの思いや気づきをお伝えします。

「環境市民は原発に賛成ですか? 反対ですか?」と聞かれたことがあります。
環境NGOが原発に賛成か反対かをたずねられるって一体どうなっているんだろう、と思ったのですが、次の瞬間、無理もないなあとも思いました。ちまたのメディアではこぞって「原発は温暖化防止の有効な手段です」と謳われているのですから。「ウソも100回言えばホントになる」そんな言葉が過ります。
先日、これまでの原発推進宣伝文句の歴史を学ぶ機会がありました。1月29日に行われた環境塾新シリーズ第2回「原発 虚偽宣伝の歴史」です(主催:市民環境研究所)。講師は、元京都大学原子炉実験所の小林圭二先生。先生は、研究者として、反原発運動の支援に関わってこられました。そのご経験から、それぞれの時代でどんなキャッチコピーで原発PRが行われてきたか、時代背景とどこがおかしいのか、を説明してくださいました。

原子力発電で電気代がただになる(1960年代後半まで)
原子力発電はクリーンエネルギー(1960年代終わり〜70年代はじめ)
原子力は石油の代替エネルギー(1970年代前半〜)
日本のエネルギー安全保障は原発で(1980年代)
地球温暖化は炭酸ガスを出さない原発で(1980年代末〜) (※レジュメより抜粋)

電気代がただになる、そんなことをウリにしていた時代もあったとは驚きました。日本にはじめて原発ができたのは63年。その後、公害問題を背景に「クリーン」という言葉を、73年のオイルショックを受けて「代替エネルギー」という言葉をウリにしています。こうしてみると、温暖化防止は後付けであることがよくわかります。
ただ、一般の人にとっては、こうしたキャッチコピーを読み解くための十分な情報はなく、強力なPRに「そうかな」と思っているのが実態ではないでしょうか。
「100回のウソ」がホントにならないために、あらためて、「市民の発信力」を高めていかなければ、と思いました。(文/有川 真理子)

参考

●みどりのニュースレター
2007年10月号 STOP 温暖化 待ったなし! 原発を考える ダウンロードはこちら
2009年8月号 特集:原発はまだ必要ですか ダウンロードはこちら
●「地球温暖化対策基本法案」の根本的見直しを (2010年3月4日)
2010年2月26日、環境省がまとめた素案「地球温暖化対策基本法案(仮称)」に対する意見 詳しくはこちら
●環境情報の発信に参加しよう!
環境市民では「市民の発信で社会を変えよう」をスローガンに、広報活動を行っています。会報誌みどりのニュースレター、ラジオ番組「エコまちライフ」、ウェブサイト・メールマガジンを媒体に環境情報を発信しています。どの媒体もボランティアとして参加できます。詳しくはこちら