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4 中身の問題、環境庁の説明
文:堀 孝弘
中身についても見ていきましょう。環境庁(当時)が出していた「循環型社会形成推進基本法」の概要紹介文を見ると、この法律がかなり進んだものとして描かれています。そこでは、この法律が「処理の『優先順位』をはじめて法定化」したと書いてあります。ごみとなったもので有用なもの(循環資源と表現しています)は、そのまま使えるものであれば再使用する(部分使用や修理後の使用も含む)、そのまま使えないが資源として再生できるものはリサイクルする(再生利用)、再生利用できないが、燃やして熱をエネルギーとして回収できるものは熱回収する、これらのいずれもできないものは適正に処理をする、というように、処理のあり方に優先順位をつけて示したと紹介しています。ただし、「技術的・経済的に可能な範囲で」という条件はつきます。
もうひとつ大きな特徴として「『拡大生産者責任』を踏まえた処置を国の施策として明示」と言うことも書いてあります。「拡大生産者責任」には様々な解釈がありますが、OECD(経済開発協力機構)の示すところによれば、製品を作った人たちに品質や安全に責任をもってもらうだけでなく、消費後の廃棄処分まで視野に入れて責任をもってもらおうというものです。一見、事業者にとても大きな負担を負わす仕組みのようですが、先進国をはじめ環境施策の国際的な流れでもあります。こういう責任を生産者に負わすことで、生産者は廃棄後、解体・リサイクルし易い設計や材質の選定をするでしょうし、有害物質などはできる限り使わないようになります。また廃棄後、回収した製品・容器の再使用も広まります。
まず、「処理の優先順位」と「拡大生産者責任」の2つの考え方から、「循環型社会基本法」の中身の問題を考えていきたいと思います。
ごみとなったもので有用なもの(循環資源)は
1. そのまま使えるものは再使用する(部分使用や修理後の使用を含む) 2. そのまま使えないが、資源として再生できるものはリサイクルする 3. 再生利用できないが、燃やせるものは熱をエネルギーとして回収する 4. これらのいずれもできないものは適正に処理をする |
ただし「技術的・経済的に可能な範囲で」という条件つき
表-1. 処理の優先順位