第1回 ふすまの補修と張り替え | 認定NPO法人 環境市民

第1回 ふすまの補修と張り替え

良いふすまは100年以上もちます。ふすま襖紙を張り替えたり、少しくらいの破れなら自分で補修もできます。
破れ補修法のお薦めは古い葉書を使う方法です。ふすまの内側は薄い紙が下張りとして貼ってありますがその薄い紙だけでは頼りなくて貼りにくいので下張りをしっかりさせるために葉書を入れます。まず、破れ目の大きさに合わせて葉書を切ります。四隅を少しカットして角を取り、先の尖った道具でぽつぽつと穴を開けます。
破れ目に葉書を入れ、尖った道具を穴にひっかけて葉書を動かし、向きを変えながら最終的な位置を決めます。破れ目の内側に、水で薄めた「ふのり」(海藻から作られた糊。表具材料店等で販売)をつけ付けます。洗濯糊でも代用できます。普通ののりでもできますが、スティックのりでなく小学生が使うようなプラスチックの丸い容器にはいった水分を多く含んだのりを筆か指につけて貼ってください。
後は、上から葉書の上から破れ目をうまく元通りに貼り合わせ整えたら終わりです。少しくらいの破れくらいならほとんどわかりません。ふすまの下張りに破れ目を直接貼付けて閉じてしまうと、引きつれなどが出てしまいますが、間に葉書を挟む方法ならその心配もありません。季節による多少の伸び縮みにも対処できるのです。

(文/ニュースレター編集部 千葉 有紀子)

作業プロセス写真館

ふすまの修繕のプロセスを写真で紹介しています。こちら

協力:表具師 古澤利弘(表具仕事の多い京都で額縁を主に40年以上されている)

1)ハガキを切る

2)ひっかけ用の穴を開ける

3)ハガキを引き戻す

4)穴の周囲の紙に糊を塗る

5)破れの補修完了