東北地方太平洋沖地震 支援活動の注意点 | 認定NPO法人 環境市民

東北地方太平洋沖地震 支援活動の注意点

以下の注意点は、より役立つ情報が入り次第更新いたします。メールマガジンやツイッター(@kankyoshimin)で紹介しますが、こまめにウェブサイトをご確認ください。

東北地方太平洋沖地震 支援活動の注意点 ver1.0

2011年3月17日

★ご注意★
今回の東北地方太平洋沖地震被災地支援活動は、今までの支援活動とは違い、福島原発事故による放射能汚染がありえますので、それへの対応が必要不可欠です。状況によっては、人体に影響が及びます。現地にボランティアに行く場合は下記の注意が必要です。

大袈裟なように思えるかもしれませんが、環境問題への対応は、予測できる最大の被害を考慮して、予防原則で行う。これは日本の甚大な公害経験から得られた、世界の共通原則です。このような注意が杞憂に終わることを願っていますが、ぜひ真剣にとらえてください。

1) 若いボランティア希望者への注意点
若い人ほど、将来的な甲状腺がん等の発症など放射能汚染による影響を受ける危険性があります。ボランティアの中には大学生など若い人も多いと思われるので、特に注意して行動を組み立ててください。

2) 放射能汚染状況の把握
現在(16日午後11時)福島原発近辺以外で、高い放射能汚染は観測されていませんが、今後どのようなことが起こるか予断は許されない状況です。原発から30km以上離れていても、風向き、天候などで、思わぬ遠いところで放射能汚染が起こる危険性があります。
これから何らかの形で、被災地エリアでの放射能汚染状況がウェブサイトなどでわかるようになるかもしれませんが、現段階で、現地でタイムリーに放射能汚染物質が分かるような手段はありません。念のため、グループ、活動拠点に一つでも放射能線探知機を持っていくことをおすすめします。

3) 天気、風向きの把握
活動中は天気や風向きをできる限り把握し、福島原発から風下になる場合は、活動時間に気を付け、また放射能線探知機に注意を十分に払うようにしてください。

放射能被害を防ぐための持ち物

これから春にかけてあたたかくなりますが、肌の露出のすくない服装でいきましょう。放射能はなくても、被災地での作業は塵ほこりを吸い込む危険性が高いものです。湿らせたマスク、タオルは常に用いてください。また帽子や防塵用メガネもされることを薦めます。
さらに以下のものは行動中に放射能物質が付着する場合に備えて、多めに用意しましょう。

□登山用等の雨具(カッパ)
(放射能物質を落としやすくするため、表面がつるつるした素材のものが望ましい。できればフード付き)
□帽子など頭を覆うもの(放射能は髪の毛に溜まる)
□マスク・タオル(放射性物質が鼻や口から入る内部被曝を防ぐため、濡れタオルで鼻や口を覆う。)
□ガムテープ(屋内待機用:窓や換気口の密閉に使用)
□医薬品(絆創膏:放射能は傷口からも入るので念のため持っておく)
□地図
□方位磁針(放射能汚染を避けるためには風上に移動する必要がある)
□できればスマートフォンと充電器(充電池)
(放射能関連の情報をタイムリーに得ることができる)
□昆布、またはとろろ昆布(ヨウ素を補給し、甲状腺がんを防ぐため)
□放射線探知機、放射線警報機(活動拠点ごと、グループごとでも)

★放射性ヨウ素を吸収するのを防ぐには、放射能を帯びていないヨウ素を先に体内に取り入れて、甲状腺をヨウ素で飽和させておくことです。ヨウ素を多量に含む昆布、とろろ昆布を毎日少しずつでも食べておくことが健康的な対応です(「放射能で首都圏消滅ー誰も知らない震災対策」三五館より)なお、うがい薬を飲むことは絶対にしないでください。

被曝しそうなとき、被曝したときの緊急用に用意していくもの

□ポリ手袋(放射性物質による汚染を防ぐ)
□ごみ袋(ポリエチレン製:放射性物質による汚染物を入れるため)
□靴が入る大きさのポリ袋
(ポリエチレン製:車から外に出る場合には、靴を汚染から防ぐ)

参考:食品と暮らしの安全 1999年11月1日、NPO(特定非営利活動法人)チェルノブイリ救援・中部による情報

万一、活動している地域で放射能汚染にさらされていることがわかったら

とにかく、支援にあたっている人、被災されて屋外におられる方に呼び掛けて、屋内に退避してください。

屋外にいて退避するまで

・放射性物質を吸い込まないよう、濡れたタオルやマスクなどで口や鼻を覆う。
・事前に常に帽子、長袖の服、手袋などで露出を防ぐ。
・雨が降ってきた場合には、放射性物質が含まれている可能性があるため濡れないように十分に注意する。濡れた場合は、衣服を脱いで、湿らせたタオルで体をふく。髪の毛はよく拭き、ブラッシングをする。できればシャワーを浴びる。

屋内退避の注意点

退避する建物は密閉性が高い方か望ましい。放射性物質が飛散している外気が室内に入らないよう、窓を閉め、エアコンや換気扇も切ってください。また、隙間はある場合は、ガムテープで隙間を防いでください。

もし万一、被曝したと思われる場合の対応

まずは、衣服を脱ぎ、ビニル袋に入れて廃棄してください。また、身体を濡れた布でふくか、シャワーをできる限り早く浴びてください。医療機関、役所等と連絡をとってください。

参考:被災地支援活動の基本の持ち物

□ラジオ
□懐中電灯
□水と食料(すぐに食べられるものを数日分)
現地は食糧と水が不足しています。まず、自分のための食糧と水はできるかぎり確保していきましょう。(水はある程度、現地の水を使うことになることを認識しておきましょう)
□応急医薬品
□筆記用具、メモ帳など
□寝袋
□運動靴(もし持てれば複数。放射能汚染被害にあったときのために)
□ラジオ
□各器材にあう充電器、充電池
(電源がないところでは太陽光発電充電機が役立つかもしれません)
□カイロ
□地図
□ウェットティッシュ
□目薬(現地は粉じんも予想されます)