プラスチック対策は、今が大きな局面です。 | 認定NPO法人 環境市民

プラスチック対策は、今が大きな局面です。

このコーナーでは、ウェブやメールマガジンの企画運営を行っている「電子かわら版チーム」メンバーのコラムを紹介しています。一緒に企画運営をしたいボランティアも随時募集中です。関心のある方は京都事務局まで。

プラスチック資源循環促進法は、
プラスチックによる海洋汚染が注目されたことを
きっかけとして生まれました。

この法律は、基本的な考え方として
「そもそもごみを出さないよう設計する」
というサーキュラーエコノミーの考えを取り入れており、
プラスチックの不必要な使用を抑え、
どうしても使わなくてはならない場合は
紙・バイオマスプラスチックなどの再生できるものに切り替え、
さらに、徹底したリサイクルを社会に求めています。

具体的な動きとしては、
使い捨てのスプーンや櫛などプラスチック12品目の有料化や
店頭での要否確認などが注目されていますが、それだけではなく、
製品に使われるプラスチックはリサイクルしやすいように
単一素材化の方向に向かうでしょうし、
多くの自治体では容器包装と製品プラスチックごみの
一括回収が検討されるでしょう。

ただ、残念ながら、この法律は、
その名が示すようにプラスチックという
資源の循環の促進を重要視しており、
リデュースの面からは物足りないと言わざるを得ません。

私たち市民にとっては、これを機に、
大量生産・大量消費される物に囲まれた暮らしを再度見直すことが、
持続可能な社会をつくる上で、大切だと考えます。

例えば、このメールニュースの読者なら
既に実施されている方が多いと思いますが、
お茶を湯呑みで飲めば、口当たりがよく、ホッとできます。
急須で入れるというひと手間は必要ですが、
お客さんがいらしたときに湯呑みでお茶を出せば、
より美味しいお茶を飲んでいただきたいという
もてなしの気持ちを表せるでしょう。

紙・バイオマスプラスチックなどの再生できる素材については、
製品のライフサイクルで排出される温室効果ガスが
プラスチックよりも少ないとは言え、
物を大事に使うという観点から、
使い捨てなら使うことを避けたいところです。

こうした行動を個人で行うことは大事ですが、
社会を変えるためには、家族や知り合いにも呼び掛けていきましょう。
職場では、使い捨てプラスチックを繰り返し使える物に替え、
新しいビジネススタイルを生み出しましょう。
不便を感じないように工夫しながらリデュースを徹底することが、
今、必要なことなのです。
(くらげ)

<執筆者紹介>
ペンネーム:くらげ
小さい頃から、曲線に心惹かれています。
海も空も曲線が美しい。
曲線が持つ無限のバリエーションはすばらしく、
変化する様子は見飽きません。
曲線への興味を通じて、気候の勉強を始めたような気がします。
いつまでも、きれいな曲線を残したい。