エコとエシカルと持続可能? | 認定NPO法人 環境市民

エコとエシカルと持続可能?

このコーナーでは、ウェブやメールマガジンの企画運営を行っている「電子かわら版チーム」メンバーのコラムを紹介しています。一緒に企画運営をしたいボランティアも随時募集中です。関心のある方は京都事務局まで。

3月17日(土)のエコ×エシカルFESTIVAL、
至らぬ点も多かったのですが、来てくださった方も応援してくださった方も、
本当にありがとうございました。
HP上で当日の写真もアップもしています。

実は、今回コラムを担当している「はるかぜ」も、
コーヒー屋としてその場にお邪魔していました。

フェアトレードのコーヒー屋ということで、
色んな所で「エシカル」な消費とか、「持続可能」な消費とか開発とか、
お話することがあります。

このメールニュースを読んでくださる皆様にはよくご存知のことでも、
意外と「よくわからないわ」という反応をいただくのが、
「エシカル」や「持続可能」という単語です。

環境市民でも、エシカル消費やSDGs(持続可能な開発目標)といったところで、
盛んにこの言葉を使い活動も展開しているのですが、
筆者の出会う界隈では、せいぜい単語として聞いたことがあるという程度。

そこで、途上国の話題から先進国と呼ばれる日本での話題に持っていくのが、
筆者の常套手段です。

「エシカル」というのを「倫理的」というと直訳過ぎますが、
日本でもその倫理的なものが失われているように見える今日この頃。
日本の八百屋やスーパーで売られている国産野菜も、
途上国でフェアトレードが必要であるのと同じくらいに、
生産現場では安く買い叩かれているから、安値で流通する現実があります。

生産現場だけではなく、物流の現場でも、低賃金で過重な労働があってこそ、
便利に安く物が手に入るという現実があります。

「ブラック企業」「ブラック労働」という言葉が
あちこちで聞かれるようになって久しくなりましたが、
筆者がコーヒー屋として属する飲食業というものもまた、
その代表格的なところがあります。

「コーヒーなんて、安く買い叩いて高く売る代表じゃないか、
生産者にわずかな金しか回らないんだから、どうせ儲けてるんだろ」
という声も聞こえてきそうですが、さにあらず。
様々な経費がかかる上に安売り競争全盛の日本では、
労働者に低賃金長時間労働を押し付ける以外に生き残る道すら見えない、
という状況に追いやられてしまいがちです。

持続可能な生き方とは一体なんだ?
と嘆かざるを得ません。

こういうところを具体的に説明してみると、
いつも安売りのチラシを見比べているお客さんたちも、
「近所の馴染みの店が潰れたのは、そういえば・・・」
「いい店だったし、ちょっとの値段の違いくらいなら、もっと応援すればよかったな・・・」
と思い当たる節があるようです。

「エシカル」も「持続可能」も、
更には「エコ」や「フェアトレード」という言葉も含めて、
自分たちの普段の暮らし方の中のどんなものにも関わることです。

環境市民のある京都では、府知事選が告示されました。
選挙で一票を行使する際にも、
「エコ」で「エシカル」で「持続可能」な社会に近づくように考えたいものですね。
(はるかぜ)

参考
春風珈琲
春風珈琲FBページ