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在来作物のタネを守る
カテゴリ: 電子かわら版コラム | 更新日:
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ドキュメンタリー映画「よみがえりのレシピ」を観ました。
山形県を舞台に、在来作物を大切に守ってきた生産者の方と、 在来作物の魅力を最大限に活かした料理で注目されるシェフ、地元の在来作物が受け継がれることを研究を通じて応援する研究者の方、地元の小学校での在来種の栽培の取組が静かな力を持って描かれていました。
在来作物とは、その地域に昔から伝わってきた独特の品種で、それぞれが固有の味や香りを持っており、生きた文化財だといわれています。しかし高度成長期以後、大量生産・大量流通の流れの中、形がいびつで収量が少なく病気にも弱い在来作物は現金収入に結びつきにくく、育てやすい画一化した品種にとって替わられてしまいました。 山形県内だけでもこの数十年間に30品目以上の在来作物が姿を消したそうです。いま私が住んでいるところでも、少し前まで地域のタネを 守っている種苗屋さんがあった、去年まで○○を守っている人がいたけれどもうやめた、など、悲しい話をよく聞きます。
日本には身土不二、三里四方という言葉があります。大地と身体とは一体で切り離せないものである、その土地の12km以内で採れたものを食べるのが身体にはよい、という考え方です。私たちが現代に購入する野菜は、直売所などへ行かない限り遠くから運ばれてくるものがほとんどです。また、地元産のものと言えども、そのタネの9割以上は海外で生産されています。在来作物にめぐり会えるチャンスはめったにありません。
映画の中で、在来のきゅうりを食べて、「甘ーい!」と歓声 を上げる子どもたちのうれしそうな表情が印象的でした。在来作物にはその土地の独特の調理法があり、それはその作物の魅力を知り尽くして引き出したものと考えられます。在来作物が失われることは、まさに地域の文化が失われることなのでしょう。
在来作物のタネは、地域のおばあちゃんがたった一人で「これはここにしかないものだから、大事なものだから」と細々と受け継いできていることが多いと聞きます。これから畑を始めるにあたり、そんなタネに出会えるようにアンテナを張っていきたいと思います。
(げの字)
(参考)よみがえりのレシピ http://y-recipe.net/