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スーパー台風による被害
カテゴリ: 電子かわら版コラム | 更新日:
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日本のメディアは取り上げることが少ないのですが、2000年以降、フィリピンでは猛烈な台風による被害が増加しているそうです。
今年9月末、リゾート地として有名なフィリピン中部のセブ市の沖合でマグニチュード6.9の地震が発生し、その傷跡も癒えない11月上旬、台風カルマエギが同市を襲いました。
この台風により、フィリピン中部では250人以上が死亡、100人以上が行方不明となっています。
さらに1週間も経たないうちに台風フンウォンがフィリピン北部に上陸し、
セブ市にも強い雨風をもたらしました。
現地に住む知り合いによると、
カルマエギによる大規模洪水がもたらした被害は、
川沿いの貧困地域で特に酷いとのこと。
こうした地域では水害への備えが十分ではなかったようですし、
夜間に洪水が発生したために逃げ遅れた方が多かった可能性もあるそうです。
他の地域でも被害は相当なもので、
市内全体で支援物資が住民に行き渡りづらいとの声を聞きます。
近年、セブ市では、2021年12月に台風ライが直撃し、
暴風でビルの窓ガラスが割れ、停電及び断水が数週間続きました。
2013年11月にはフィリピン国内で史上最悪の被害をもたらした
台風ハイエンの被害も受けました。
これらの台風のうちフンウォン、ライ、ハイエンは、
米軍合同台風警報センターによる分類で最強の「スーパー台風」であり、
通常は台風が少ない11、12月に発生したことが特徴です。
その要因として、フィリピン周辺の海面水温の上昇が指摘されています。
こうした気候変動の影響が顕在化している現在、
CO2排出量削減のための取組は待ったなしどころか、
アクセルを踏まなければならない状況と言えます。
ここ数年でそれができなければ、人間はこれまで経験したことがない
自然災害が多発する世界に足を踏み入れるのではないかと危惧します。
残念ながら、ブラジル・ベレンで開かれていた
国連の気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)では、
化石燃料の使用量の削減について新たな合意を得ることはできませんでした。
(くらげ)
<今週のコラムニスト>
ペンネーム:くらげ
小さい頃から、曲線に心惹かれています。
海も空も曲線が美しい。
曲線が持つ無限のバリエーションはすばらしく、変化する様子は見飽きません。
曲線への興味を通じて、気候の勉強を始めたような気がします。
いつまでも、きれいな曲線を残したい。
















