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取り返しのつかない災害
カテゴリ: 電子かわら版コラム | 更新日:
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気象庁によると、年降水量は、過去約130年間を通じた変化傾向は確認できないのですが、極端な大雨の発生頻度が増加しているとのことです。
私の記憶に強く残っている水害は、少し古いですが、平成5年8月6日前後に鹿児島県で発生した「ハチロク」水害です。
当時、私は鹿児島市で大学生活を送っていたのですが、
この時は長期の航海実習の最中でした。
船内でテレビをつけると、繁華街の床上浸水、
江戸時代に架けられた石橋の流失、土石流によるJRの列車の孤立など、
大変な被害状況が映し出されました。
8月10日頃、アルバイトでお世話になっていた店へ行ったところ、
商品や家具が水浸しになり使用不可能な状態だったため、
店と清掃工場を何度か往復してそれらの多くを廃棄しました。
また、残った商品を外に出し、水洗いしたことを覚えています。
世界の平均気温は、人間活動による温室効果ガス排出量の増加に伴い
100年当たり1℃弱のペースで上昇しており、今後、
大雨や熱波などの極端な現象が発生しやすくなると予想されています。
一方、社会にも人にも対応できる限度があるので、
ある1日だけでも酷い被害を受けると取り返しがつかなくなることがあります。
「ハチロク」水害では、鹿児島県内各地で多くの人命が失われました。
国内では、堤防や砂防ダムが各地に建設され、
個人向けの局所天気予報も充実してきましたが、
これらを過信していては事故を招きます。
強い雨風や地鳴りなどが発生したときには河川や崖に近寄らず、
余裕をもって避難行動ができるよう、
自然の変化に対する感性を鈍らせないようにしたいものです。(くらげ)
<今週のコラムニスト>
ペンネーム:くらげ
小さい頃から、曲線に心惹かれています。
海も空も曲線が美しい。
曲線が持つ無限のバリエーションはすばらしく、変化する様子は見飽きません。
曲線への興味を通じて、気候の勉強を始めたような気がします。
いつまでも、きれいな曲線を残したい。