昭和レトロ | 認定NPO法人 環境市民

昭和レトロ

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1950年から1980年代の生活や文化、日常生活用品などを見直して昭和レトロとして人気になっているようです。
それならうちにもあるぞと最初に思いついたのは、母が結婚前から着ていた冬のコート。
袖口に虫食いが少しだけありますが、私が譲り受けて65年以上の年月を経ても着ています。
昔はいわゆる仕立屋さんでコートやスーツをつくることもあったようで、内ポケットのところに名前が入れられています。

次に、保存箱として使っている茶箱。
母の実家が茶葉を販売する店だったので、
そこから古くなった茶箱を持ってきたものですが、
私が物心ついたときには衣装ケースとして
季節物の入れ替えに使っていました。
茶箱には紙の壁紙のようなシートが貼られて色柄も昭和レトロそのもの。
シートは一部破れてしまった箇所もありますが、
茶箱そのものは丈夫で密閉性も高く
保存箱として今も押し入れの中で大切なものを守ってくれています。

そして、最後に大好きなティーカップセット。
色は控えめながら、とてもモダンなデザインで、
こだわりが見えるカップの形も、
ティーソーサーがオーバル型になっているのも、
古さを感じさせずとてもおしゃれです。
6客分がセットになっているのは、
当時の家族の人数が今より多かったからなのでしょう。

こんなふうに並べてみると、
わが家の中にある昭和レトロなものたちには残っている理由があります。
丈夫であることはもちろんですが、
そのものにまつわるストーリーと愛着があるということが大きいようです。
なんでもしまい込んでモノが増えてしまうのは困りますが、
そのモノを家にむかえるとき、本当に必要なモノで、
ずっと大切に使い続けることができるかどうかを、
自分に聞いてみてから購入することが大事だと、
あらためて感じることができたわが家の昭和レトロな品々でした。
(イバラノカンザシ)

<今週のコラムニスト>
ペンネーム:イバラノカンザシ

ドリトル先生に憧れ、海の中の生きものといつか話ができることを夢見て世界の海に潜り続けています。
最近、海の中にいると一瞬エラ呼吸できそうな気分になります。