21世紀、地球を、地域を、生活を、持続可能な豊かさに
人口が減少する未来社会
カテゴリ: 電子かわら版コラム | 更新日:
このコーナーでは、ウェブやメールマガジンの企画運営を行っている「電子かわら版チーム」メンバーのコラムを紹介しています。一緒に企画運営をしたいボランティアも随時募集中です。関心のある方は京都事務局まで。

日本の人口は、ピークが2008年の約1億2800万人でしたが、2023年の人口は約1億2500万人弱だと推測されています。
日本では、医療の発達によって、乳児死亡率は低く平均寿命は世界トップクラスにあることから、人口全体の減少速度は穏やかです。
しかし、少子化によって、生産年齢人口(15~64歳)は、ピークが1995年の約8700万人でしたが、2023年には約7400万人まで減少しており、総務省によると2050年には約5300万人になると見込まれています。
少子化の影響は、若年層と関わりが深い業界ほど早く現れると考えられます。
今年4月、京都の某女子大学が、
来年度以降の学生の募集を停止すると発表したのを聞いて驚きました。
そこで、近年の大学の入学状況を調べてみたところ、
2024年では、私立大学のうち定員割れしている大学が6割近くもあったとのこと。
さらに調べてみると、ここ20年間で、閉校、統合、
経営難の私立大学の公立化等が進んでいることを知りました。
18歳人口が多かった1990年代には想像もつかない状況ですが、
出身校がなくなる悲しい時代になったのです。
出生率が回復したとしても、数十年間は人口が減少し続けます。
今後、更に人口が減少すると何が起こるのでしょうか。
大学の状況を参考にすれば、
高齢者の雇用延長や電子化による作業の効率化などの
対症療法では乗り越えられなくなった会社の倒産が増加し、
国内の産業競争力が低下することが予想されます。
とりわけ、老舗が事業を引き継げなくなったり、
職人の後継者がいなくなれば、日本の伝統文化の維持に影響します。
また、いくつもの地方では集落を維持できなくなり、
同時に、その集落で育まれた食文化や行事なども失われると考えられます。
さて、現在開催されている大阪・関西万博のテーマは
「いのち輝く未来社会のデザイン」。
空飛ぶ車やiPS細胞から作った心筋シートによる
「ミニ心臓」などのハイテクが紹介されていますが、
私たちは、人口が減少する未来社会の在り方について
目をそらさないようにする必要があるのではないでしょうか。(くらげ)
<執筆者紹介>
ペンネーム:くらげ
小さい頃から、曲線に心惹かれています。
海も空も曲線が美しい。
曲線が持つ無限のバリエーションはすばらしく、変化する様子は見飽きません。
曲線への興味を通じて、気候の勉強を始めたような気がします。
いつまでも、きれいな曲線を残したい。