21世紀、地球を、地域を、生活を、持続可能な豊かさに
苦いも甘いも共有してね 人生初の水素コーヒー
カテゴリ: 電子かわら版コラム | 更新日:
このコーナーでは、ウェブやメールマガジンの企画運営を行っている「電子かわら版チーム」メンバーのコラムを紹介しています。一緒に企画運営をしたいボランティアも随時募集中です。関心のある方は京都事務局まで。
水素は分解されると水と酸素しか排出されないため、気候変動を緩和するエネルギーとして注目されていますがその製造工程にはいくつかの種類があり、全てがカーボンフリー!というわけではありません。
たとえば、天然ガスなど化石燃料からつくられる、通称「グレー水素」。
この場合は当然、化石燃料からCO2が排出されます。
グレー水素の製造工程で排出されるCO2を回収・貯留する「ブルー水素」は
CO2貯留の実現可能性に課題があります。
そして、再生可能エネルギーを利用して水を分解してつくられる「グリーン水素」。
この場合は製造工程においてCO2の排出はありませんが、
生産量やコストに課題があります。
水素といってもどの水素なんだろうと思い質問してみると
「グリーン水素です」、とちゃんと答えが返ってきました。
しかも、福島など、産地のわかる「ご当地水素」を利用しているとのこと。
話が通じるな、と調子に乗ってさらに次の質問を投げかけてみました。
「なぜ、再生可能エネルギー由来の電気や木材の端材などのバイオマス
などではなく、水素を選んだのですか?」
「電気では火力が足りず、バイオマスもやってみたのですがコーヒーに匂いが
ついてしまい、商品にならなかったんです」。
なるほど……。全国展開するメーカーだけに、
焙煎に使う燃料は相当なものだそう。
それをなんとか2030年までにカーボンニュートラルを
めざすべく努力しているということでした。
ただ、将来的には「全てグリーン水素でまかなうことは難しく、
ブルー水素も使わないといけないかもしれない」とも。
企業の展示会というと質問の意図がなかなか通じなかったり、
いいことだけを話されることが多いように思いますが、
久しぶりになんでもサクサク回答してくれて、
さらには実現の難しさまで包み隠さず吐露するあたりに好印象を持ちました。
サステナビリティとは言うは易し。
一朝一夕で成し得ないのは当たり前です。
だからこそ、企業にはぜひ、
私たち消費者と挑戦過程の苦労も共有してもらえれば、と思いました。
人生初の水素コーヒー、ごちそうさまでした!(ま)
<今週のコラムニスト>
ペンネーム:ま
地球のサステナビリティと共に、自身の体力のサステナビリティが気になる今日この頃。
好きな食べ物は塩豆大福。