能登半島地震 原発に問題なし? | 認定NPO法人 環境市民

能登半島地震 原発に問題なし?

このコーナーでは、ウェブやメールマガジンの企画運営を行っている「電子かわら版チーム」メンバーのコラムを紹介しています。一緒に企画運営をしたいボランティアも随時募集中です。関心のある方は京都事務局まで。

強い揺れに東日本大震災、それに伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故を思い出した方も多かったのではないでしょうか。

今回の震源に関連する地域には多くの原子力発電所があります。
柏崎刈谷、志賀、敦賀、美浜、大飯、高浜。
ひと度事故が起きれば……あの惨事が繰り返されることになる。
そう思うと背筋が凍る思いでした。

幸い、今のところ、大きな事故は発生していないようです。
ただ、「原発に問題なし」という報道には違和感を感じます。

志賀原発では燃料プールから1号機で約95リットル、
2号機で325リットルの水がこぼれた。
放射能の総量は約1万7100ベクレルと約4600ベクレル。
1号機では冷却ポンプが役40分停止。
運転は2011年に停止してかなり冷えていたので、
水温は29.5度のままで上昇はなかった。
もともと使っていた外部電源からの受電ができなくなり、
別の外部電源に切り替えて冷却中。
外部電源が全て使えなくなった場合でも非常用発電機がある。
さらに冷却できなくなった場合でも
水が沸騰するまでに1号機で17日、2号機で29日かかる……
(1月3日付朝日新聞より編集)

志賀原発の周辺に設置されていた
100か所以上のモニタリングポストのうち、
4日午後現在で14か所が測定不能に。
原因は不明。(1月5日付朝日新聞より編集)

これだけの事象があって「問題なし」と言えるのでしょうか。
「外部には影響ない」=「原発に問題なし」なのでしょうか。
中で働いている人は大丈夫なのでしょうか。

さらにはこんなことも。

「2号機で外部電源を受けるために必要な変圧器から漏れた油の量について、
当初発表の5倍超にあたる約1万9800リットルと訂正した。
油を回収する途中で量が多いことに気付き、改めて調べた結果、
漏洩(ろうえい)箇所が当初の想定よりも多いことがわかったという。
北陸電は2日に漏れた量を推定で約3500リットルと説明していた。」
(引用:1月5日付朝日新聞 )

またか。

後から「実はこうだった」「わからなかった」
「気づいてなかった」と言って発表内容を平然と修正し、
あげくの果てには「想定外だった」「ただちに影響はないから大丈夫」。

あの時も同じ文句を何度聞いたでしょうか。
東日本大震災時、原発事故がなければ、
雪が降りしきる中で救助を待つ命をいくつ助けられたことか。
今なお、放射能の影響に怯える人たちのことを考えたことはあるのでしょうか。

地震が起きる度に原発情報を確認するなんてもう、うんざりです!

COP28で世界が原子力推進に舵を切ろうと、間違っているものは間違っている。
気候変動のために、日々の暮らしを放射能の危険性に晒すなんてどうかしている。
ーーそう、市民から声をあげていきましょう(ま)

<今週のコラムニスト>
ペンネーム:ま

地球のサステナビリティと共に、自身の体力のサステナビリティが気になる今日この頃。
好きな食べ物は塩豆大福。