21世紀、地球を、地域を、生活を、持続可能な豊かさに
環境共育活動
1 環境市民の環境共育活動
2 環境市民が考える環境共育
1 環境市民の環境共育活動
持続可能な社会について理解し、主体的に行動できる人を育むことは、これらの社会をつくる大きな力になります。環境市民では、共に学び合う、「共育」スタイルを重視し、環境を守り、持続可能な社会を理解するためのさまざまな共育ツールや機会を開発、提供しています。
(1)環境講座の実施、研修への講師派遣
環境に関する講演、講座に講師を派遣しています。おもな講演テーマはこちらをご覧下さい。
(2)人材育成講座等の実施
環境問題に関する市民活動、NGO活動に関心をもち、実践する人たちを対象に環境問題の基礎から、企画・活動の組み立て方、他セクターとの協働の考え方や手法を学ぶ講座を実施しています。
(3)実践を通じた人材育成サポート
環境基本計画の策定を市民・NGO・行政がパートナーシップで行うためのコーディネートを行っています。策定プロセスを通して、まちづくり活動を担うリーダーを育てます。
(4)出前授業やワークショップの実施
子どもを対象とした、学校や地域への出前事業、環境問題について楽しく学ぶワークショップや環境寸劇などのプログラムもあります。大人を対象として実施することも可能です。
(5)環境共育教材の作成・普及
地域リーダーや学校の先生など、環境共育を実践する人が使いやすい教材を提供しています。一部は貸し出しが可能です。教材を使ったワークショップのご相談にも応じています。
2 環境市民が考える環境共育
●何のための環境共育か〜理科教育や野外教育との違い〜
環境市民では、環境共育とは環境について知識を持つ人を育てることではなく、「環境を大切に思って行動する人を育てること」と考えています。理科で学ぶ自然の仕組みや知識も、野外体験で自然とふれあう楽しさを知ることも大切です。しかし、それを知った上で自然を守り、自然にふれる楽しみを持ち続けるためにも、私たちの暮らしや事業活動、まちづくりはどうあればよいのか、について自ら率先して行動し、回りを巻き込んでいく力を持つ人を育てることが環境共育だと考えます。
●環境共育は市民を育てる共育
環境共育はひとつの正解を探したり、決められたゴールがあるものではありません。皆で思いや考えを出し合い、話し合う過程を通してお互いを理解しながら、めざすものを明確にし、そこに至る方法を工夫していきます。それぞれが納得した上での共通の目標であれば、一人ひとりが責任感を持って取り組むことができます。そうした経験を経ることで、社会において自立した行動と責任をとる人=市民が育ちます。
こうしたことから、環境市民では、環境共育を人の想像力や可能性を高めることと考え、民主主義の発展につながるものととらえています。
●環境共育の「共」の意味
環境市民では、教育に「共」の字を使い「共育」と表現しています。これは、会の元理事であり現在はアドバイザーのひとりでもある西村仁志さんからその考え方を学びました。西村さんによれば「教え込むのではなく、共に育つという手法を大切にしたいという気持ちをもった人達の間で自然に使われるようになった」とのことです。環境市民でも、共に話し合い、考えあう過程を通じて一人ひとりが市民として育っていくという考え方をもっていたことから、その考え方に共感し「共」の字を使うようになりました。
●環境共育は新しい社会づくりの鍵
地球温暖化防止は私たち人類が経験したことのない、最も大きな課題といっても過言ではありません。その解決に小手先の技術は通用しません。地球温暖化の原因は、従来の私達の考え方やライフスタイル、そして社会のあり方に起因していることを多くの人が理解しはじめています。その根本的な解決策を見つけ、今すぐ実行していくことが求められています。しかし、その解決策をこれまでの社会の延長線上でのみ考えると「できること」ばかりに取り組みがちです。今、求められているのは、新しい社会を作るために必要なプロセスの一つとして「今、なすべきこと」を考え、取り組むことです。「新しい社会」のイメージをみんなで出し合い、共有していくプロセスが環境共育だと考えます。
●エコロジーな次世代を育む
このような考えに基づき、環境市民は発足時からミッション (使命)のひとつとして環境共育に取り組んできました。その取り組みは、こども達だけを対象とするものではありません。大人に対してもリーダー養成講座などを通じて働きかけてきました。こどもには、次の社会を担う人材として、また大人には今の社会を変革し、次の世代を育てる立場として、「話し合い、学びあう」環境共育の手法を身につける機会を提供しています。