事業系プラスチックの分別 | 認定NPO法人 環境市民

事業系プラスチックの分別

このコーナーでは、ウェブやメールマガジンの企画運営を行っている「電子かわら版チーム」メンバーのコラムを紹介しています。一緒に企画運営をしたいボランティアも随時募集中です。関心のある方は京都事務局まで。

廃棄物は、廃棄物処理法上、一般廃棄物と産業廃棄物に分類されます。

産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち廃棄物処理法で定められた20種類の廃棄物を指します。
事業者は、一般廃棄物と分けて、産業廃棄物を排出しなければなりません。

産業廃棄物としてのプラスチックは、工場や工事現場から排出されるものだけではなく、
実は、社員がオフィスで捨てる弁当容器、
お客さんがカフェや駅で捨てるお菓子やお手拭きの包装も含みます。
そのため、事業規模に関わらず産業廃棄物としてのプラスチックが排出されますし、
元々の排出者は個人だということも少なくありません。

事業者が一般廃棄物とプラスチックをしっかり分別して排出しているかと言うと、
十分と言えないケースがあります。
その原因のひとつとして、
産業廃棄物としてのプラスチックに対する社会の認識が不十分なのではないか、と思います。

例えば、カフェや駅などでは、
プラスチック用のごみ箱が置かれていないことがあります。
置かれていたとしても、分別は不十分です。
事業者の中には「お客さんに細かく分別してもらうのは申し訳ない」
と考えるケースがありますが、
「もともと個人が排出した廃棄物は、産業廃棄物にならない」
と誤って信じているケースもあります。
とりわけ、廃棄物担当以外の従業員は後者の傾向が強いです。

また、「分別回収されたプラスチックは、他の廃棄物と一緒に焼却されている。」
という噂も根強く残っています。
実際は、固形燃料、ハンガー、植木鉢などにリサイクルされます。

こうした認識では、ごみ箱段階の分別の呼び掛けが甘くなり、
結局、分別し直すことにコストをかけることになります。

安易にプラスチックに頼る社会からの脱却は必要ですが、
当面、プラスチックを使う日々は続きます。
事業者が排出するプラスチックに関して言えば、
「もともと個人が排出した廃棄物であっても産業廃棄物になる」
という認識を一人一人が高め、
適切に分別することがリサイクルの促進につながります。(くらげ)

<今週のコラムニスト>
ペンネーム:くらげ

小さい頃から、曲線に心惹かれています。海も空も曲線が美しい。
曲線が持つ無限のバリエーションはすばらしく、変化する様子は見飽きません。
曲線への興味を通じて、気候の勉強を始めたような気がします。
いつまでも、きれいな曲線を残したい。