一人一人が危機意識を | 認定NPO法人 環境市民

一人一人が危機意識を

このコーナーでは、ウェブやメールマガジンの企画運営を行っている「電子かわら版チーム」メンバーのコラムを紹介しています。一緒に企画運営をしたいボランティアも随時募集中です。関心のある方は京都事務局まで。

梅雨の長雨は、6~7月に、冷涼なオホーツク海気団と温暖な小笠原気団の間にできる停滞前線が日本周辺に居座ることによってもたらされます。
梅雨の末期には集中豪雨が発生することがあり、平成30年7月の西日本豪雨や平成29年7月の九州北部豪雨による浸水被害は記憶に新しいところです。

こうした被害を防ぐため、気象庁では、
観測の強化とシミュレーションの精緻化に日々取り組んでいるとともに、
それらに基づき、近年は、注意報や警報などに加え、
住民の避難行動を促す警戒レベルを示しています。

また、民間気象会社も独自の気象情報を提供しています。
私が使用しているスマホアプリでは、
市区町村よりも細かい地域ごとに1時間ごとの降水量や
風速等の予報が示されるとともに、レーダー情報により、
自分がいる場所周辺の降水量をリアルタイムで把握できるので、
イベントの実施、傘の携帯などの判断にとても便利です。

しかし、このように気象情報が充実してきているにも関わらず、
水害によって命を落とす方が毎年のように発生しています。

その中には、不運な事例もあるのですが、
豪雨の中、夜間に田んぼの様子を見に行って氾濫した河川水に流されたり、
大丈夫だと思い込んで避難が遅れ浸水時に孤立するなど、
もう少し危機感を持っていれば防げた事例もあります。

内閣府が作成した「避難情報に関するガイドライン」には、
住民は「自らの命は自らが守る」意識を持ち、
自らの判断で避難行動をとるとの方針が示されています。
気象情報がどんなに精緻になっても、市区町村から避難命令が出されても、
「避難する」という実際の行動は一人一人が行うもの。
そのためには、時に、自然は狂暴な姿を見せるという
危機感を忘れないようにしたいものです。(くらげ)

<今週のコラムニスト>
ペンネーム:くらげ

小さい頃から、曲線に心惹かれています。海も空も曲線が美しい。
曲線が持つ無限のバリエーションはすばらしく、変化する様子は見飽きません。
曲線への興味を通じて、気候の勉強を始めたような気がします。
いつまでも、きれいな曲線を残したい。