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食欲の秋。ぜひ、旬の食材を。
カテゴリ: 電子かわら版コラム | 更新日:
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この度の台風被害に遭われた皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。
7月のメールニュース以来、
豪雨や猛暑と気候変動の関係を取り上げるコラムが続きますが、
今回は身近な暮らしから気候変動等について考えるテーマをお届けします。
さて、10月。秋ですね。過ごしやすい季節となってきました。
秋と言えば、○○の秋。その中でも私にとっては食欲の秋。
ですが、そういったときにも、
そして、これからの季節(秋~春)は、選ぶ食べ物にはぜひ、ご配慮を。
ビニルハウスなどの普及により、
季節に関係なく色んな食べ物が手に入る今の時代だからこそ、
注意したいものです。
例えば、ハウス栽培による夏野菜をこれからの季節に手に入れようとすると、
その野菜は一般的に味や栄養価は落ちますし
(これは、その野菜にとって、その生育環境が合っていないためだそうです)、
温室を作り出すためにエネルギーが多く使われ、
それに掛かる燃料費分、価格も高くなります。
また、これから手に入る夏の食材の中には、
季節が反対の南半球の国や、
赤道に近い温暖な国から輸入されているものも少なからずあります。
この場合、味や栄養価はある程度確保できることもありますが、
それだけの距離を運んでくるために、
やはり多くのエネルギーが使われることになります。
その代表的なものを挙げると、かぼちゃ。
今月末にはハロウィーンがあり、
冬至にかぼちゃを食べるという習慣があることから、
これからの季節に収穫される食べ物だと勘違いされることもありますが、
かぼちゃの主な収穫時期は7~8月。
歴とした夏野菜です。
これは数ヶ月保存ができますので、
あと少しは夏に収穫されたものが出回っていたりもしますが、
それ以降に出回るかぼちゃの多くは、
ニュージーランドやメキシコなど国外から輸入されています。
(結果として、かぼちゃの年間国内出荷量15~20万トンに対して、
年間輸入量は10万トン前後にもなります)。
いずれにしても、多くのエネルギーを使うことになりますので、
環境面から言うと、決して褒められたものではないですね。
また、輸入の農産物の流通が増えると、国内農家の経営が圧迫されます。
農業をあきらめる人が多くなり休耕地が増えることで、里地里山は荒れ、
土砂崩れなどの自然災害が増えるといった影響も出てきます。
さらには、ハウス栽培の場合は、やはり生育環境が合っていないために、
農薬等も多く使われる傾向にあります。
これらのこともやはり、環境面から見ても望ましくないですね。
冬にこたつに入って
アイスクリームを食べたくなるような気持ちはわからなくはないですが、
食欲が進むこれからの季節だからこそ、
栄養価が高く、美味しく、安く、そして環境にも良いと言える旬の食材を、
ぜひ、積極的に選びたいところですね。
(テッ)