炊き出しの何が悪いの?―ストラスブールでみた光景 | 認定NPO法人 環境市民

炊き出しの何が悪いの?―ストラスブールでみた光景

このコーナーでは、ウェブやメールマガジンの企画運営を行っている「電子かわら版チーム」メンバーのコラムを紹介しています。一緒に企画運営をしたいボランティアも随時募集中です。関心のある方は京都事務局まで。

お正月に、炊き出しをさせないために、
東京の公園が閉鎖されたと聞いて、耳を疑いました。
さらには、昼間に開放の後、確認しないまま施錠
冬の公園に人を取り残し、凍死寸前だったとか。
どう考えたらそんなことができるのかと思いました。
それでも、心ある人によって、炊き出しは行われ、少しでも暖をとれたとか。
命にかかわることですから、ちゃんと行われて良かったと思いました。
何が恥ずかしくて、公園の閉鎖など、するのでしょう。

年末年始をフランスのストラスブールで過ごしました。
緯度から言えば、北海道よりも北、
かなり寒いです。
観光地でもあり、
クリスマスマーケットが年末まで開かれていました
そのクリスマスマーケット近くに、公園があり、
そこに派手なバスが留っているのを見ながら
トラムで通り過ぎていたのですが、

ちょうどその近くまで行ったので、見に行きました。
前を通るといいにおいがして、
スープとパンをはい!っと手渡されました。
お金は?と問うと、
いいよ、いらないよ、という。
どうやら、キリスト教の施しのようなものだと気が付きました。
おしゃれなバスは、
中でそのスープとパンが座って食べられるものでした。
中では、普通の子ども連れの家族も食べていたり、
なんのことはない、お祭りの屋台の前で食べているかのような、
そんな気分になりました。
それでも、これがないと飢えてしまったのでは?
と見受けられる方もおられました。
なんどもお礼を言いながら、嬉しそうに食べておられました。
そうかと言えば、私のように、旅行者らしき若者も、
こんなんがあるんだねーと(たぶん)、言いながら食べていました。
とても不思議な体験でしたが、
嫌なものではありませんでした。
現実、これがなければ、飢えてしまう人はいる。
それでも、そうでない人も一緒に普通にご飯を食べる、
それはとてもいい空間だったと思います。
いろんな現実は蓋をするだけでは、
どうしようもないのでは?と、思ったの今年の年末年始でした。(ち)
─ボランティアスタッフが交代でお届けしています─