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特定秘密保護法の施行凍結、廃止を求めます(声明) (2013年12月)
国際協力NGO、人権NGO、環境NPOが合同で、秘密保護法の廃止を求めています
環境市民は、秘密保護法が、環境活動、市民活動を阻害し、民主主義の根幹を崩すものであることから法案の成立に反対してきました。(詳細はこちら)
同法案への反対に賛同する環境NPOは39団体集まりました。(詳細はこちら)
しかし、残念ながら、法案は慎重審議・廃案を求める多くの市民の声を無視するかたちで12月6日に強行採決されました。そこで改めて同法の廃止、施行の凍結を求めることに賛同する環境NPOを募りましたところ、12月27日現在52団体になりました。
また、「特定秘密保護法案の強行採決、法案成立に抗議する声明」に対し93の国際協力NGOが賛同しています(12月26日現在)。
12月26日、国際協力NGO、人権NGO、環境NPOはあらためて秘密保護法に抗議するため、参議院議員会館にて「特定秘密保護法案の強行採決、法案成立に抗議する声明」及び「特定秘密保護法NGOアクションネットワーク準備会」(仮称)の立ち上げについて記者会見を行いました。(記者会見の内容はこちら)
記者会見で発表した環境市民の声明は以下の通りです。
今後も、様々な団体のみなさん、市民の方々と一緒に同法の廃止、凍結にむけて行動をおこしていきたいと思いますので、引き続きご支援、ご協力をお願いいたします。
特定秘密保護法の施行凍結、廃止を求めます(声明) (2013年12月)
NPO法人 環境市民 代表理事 杦本育生
私たちNPO法人環境市民は、1992年の創設以来「持続可能で豊かな社会」の構築をめざして、様々な活動を展開しています。しかし、このたび成立した「特定秘密保護法」は、持続可能な社会とは相反する内容になっており、強く廃止を求めます。またそのための活動を全国及び小会の事務所があります京都で、多様なセクターの方々と連携してすすめていきます。私たちは、この法が廃止されるまで決して諦めることなく行動を継続します。
「特定秘密保護法」の廃止を求める理由
- 1 特定秘密保護法は、中央官僚による情報支配、政策統制をすすめるものであり、情報開示と全ての人々の社会参画を基盤とした、より発達した民主主義社会を必須とする持続可能で豊かな社会と相容れない。
- 特定秘密保護法は、戦争を準備する法体系の一環であり、平和と非暴力への惜しみない努力を必須とする持続可能で豊かな社会と相容れない。
- 特定秘密保護法は、表現の自由、知る権利等の基本的人権を制限するものであり、基本的人権を重んじる持続可能で豊かな社会と相容れない。
- 気候変動問題、生物多様性問題等、現在の環境問題は地球規模となっており、その解決に向けて様々な国際交渉、外交がなされている。またTPP問題等環境にも大きな影響を与える経済的な課題も外交マターでもある。特定秘密保護法は、これらの国際交渉、外交に関する情報を官僚の恣意によって、秘密に指定することが可能となるものである。このような事態になれば、これら地球規模の環境問題等に対して、NGO、メディア、国民が必要な提案や意見を作成し、政府等に述べることが実質的に大きく阻害される。これは国民主権と相容れない
- 4のような地球規模の環境問題等に関する国際交渉の情報が特定秘密保護法で秘密指定されていた場合、それにアクセスしたNGO等が、警察機関によって監視の対象となり、さらに逮捕、訴追される危険性も十分ありうる。これによって政府の方針とは異なる政策提案等をNGO等が行なうことは、実質不可能に近くなるおそれがある。
- 原発及び原発事故に関する情報は、これまでも隠蔽されることが多々あった。特に福島第一原発の大事故後の住民避難、原発の現況、健康被害等の情報開示は不十分であり、不要な被害を拡大している。特定秘密保護法は、さらに原発に関する情報を秘匿し、被害の拡大や原発の再稼働を招くおそれが強くなる。
- そもそも特定秘密保護法は、国民主権、基本的人権の擁護、戦争放棄を理念とする日本国憲法に明確に違反しており、憲法98条の規定により無効であり、廃止すべきである。
【本声明に関する問い合わせ先】特定非営利活動法人 環境市民
京都市中京区麩屋通二条下る第二ふや町ビル405
電話071-211-3521 mail life@kankyoshimin.org