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女性が拓くいのちのふるさと海と生きる未来
女性が拓くいのちのふるさと海と生きる未来
(環境市民 副代表理事 下村委津子 他 著)
環境市民の下村の夢が叶って「森里海連環学」を提唱される田中克先生にインタビューできたのは2013年のこと。「自然環境や生物多様性に関するフィールド調査はともすれば、研究対象が森や海になるけれど、森と海とのつながりやその間に深く関わる人間の価値観が大事ではないか、つながりこそ重要な研究対象ではないか」という言葉を聞きました。
森と海とのつながりを担う人間の営みは、森と海の間の「里」にある——自然環境と人間の営みの全体をめぐって森里海連環学と名付けられた想いが伝わってきました。この出会いがきっかけで本書が生まれました。
今私たちが見ている風景や、そこに棲む生きものとの距離や関係性は、これまでの人間の価値観のもとにつくられたものであり、形になったものです。この先、どのような風景や生きものとの関係性をつくれるかは、まさしく、これからの私たち人間の価値観にかかっているのだと、あらためて感じたのです。
目次
はじめに
第Ⅰ部 海への想いを抱く暮らし
1 行き交う人のふるさと――気仙沼からハワイを旅して(松永智子)
2 故郷の海、有明海(井手洋子)
3 海を懐かしくおもうわけ――京都の老舗に生まれて(鈴鹿可奈子)
4 ドキュメンタリー映画『赤浜ロックンロール』で描く三陸 浜の心意気
――海がみえねえじゃねぇか、バカヤロー!(小西晴子)
5 海女の町の観光――女将とガイドを通して(江崎貴久)
6 森の採譜(丹治富美子)
第Ⅱ部 環境からみえるいのちの世界
7 地球が生んだ「いのちの戦略」と「アジアの生活の知恵」から生まれた身心一体科学
――森・里・海・体・細胞をつなぐ自然の原理と人間の理(跡見順子)
8 水を巡る地球環境安全保障――水・エネルギー・食料ネクサス(遠藤愛子)
9 「つなげよう、支えよう、森里川海」プロジェクトとつながろう(中尾文子)
10 「森と水政策課」があるまち
――鈴鹿山脈から琵琶湖まで流域でつながる東近江市の地域創成(山口美知子)
11 環境問題の本質としてのいのち(下村委津子)
12 その自然環境を守りたいという気持ちがうまれる場所(白幡美晴)
あとがき
内容
NPO法人森は海の恋人や環境市民、海遍路といったさまざまな社会的活動に関わる女性たちが、海とかかわりながら生きることをとおして、「人」の生き方を考える。
著者
下村 委津子 編
小鮒 由起子 編
田中 克 編
出版年月日 2017年6月30日
ISBN 9784812216330
判型・ページ数 A5・288ページ
定価 本体1,800円+税
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