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4 環境と経済を考えて、今後をどうする
文:堀 孝弘
4 環境と経済を考えて、今後をどうする
空き缶やペットボトルをリサイクルするため回収する費用は、そのほとんどを税金に依存しています。そのため缶・ペットボトルを利用しない人、利用頻度の少ない人も一律に負担しなければなりません。西欧では、容器や包装の回収とリサイクル責任を、容器や包装を作り使った事業者に負わせる「拡大生産者責任」が当たり前になっています。これを短絡に「事業者に利益を削らせてリサイクル費用を負担させようとしている」と解釈して、事業者いじめと感じる人もいます。そうではなくリサイクル費用をあらかじめ価格に含めて、それを利用した本人に利用数量に応じて負担してもらおうという考えで、負担の公平性を実現します。たとえば、水道料金には下水の処理料金も含まれています。それと同じことだと思えば理解しやすいでしょう。
この「処理費用の内部化」を日本の政府や財界は嫌います。価格が上昇し消費者の購買意欲が落ちることを懸念しています。しかし価格が上昇すると言っても、それでやっとリユースと同じ条件になり費用負担の公平性がはかられるわけです。 企業関係者の中には「環境のことを考えたらリユースの方がいいのはわかっている」という人も多いわけで、将来を見すえた事業活動を行おうとする人にとっては、むしろ公平なルールができることを歓迎するでしょう。またリユースが広まる条件が与えられることで、消費者も今までより安く商品を購入できる可能性も得るわけです。