21世紀、地球を、地域を、生活を、持続可能な豊かさに
7 ビジョンとアジェンダ21
文:杦本 育生
地域社会をより良いものにしていくには、地域の将来像をえがき、地域社会の課題を明らかにし、課題を解決し将来像に近づけていくプロジェクトを考案し、実行することが求められている。もちろん、それを本質的な住民参画で行い、また推進のシステムを同時に組み立てなければ実効性はない。このような計画は、ローカルアジェンダ21として、国連から世界中の自治体に向かって策定することが求められている。スウェーデンのように全ての自治体でローカルアジェンダ21が策定され推進されている国もある。日本では一部の内容のあるローカルアジェンダ21を除くと単なる環境行動指針・行動計画や地球温暖化防止計画などにとどまっているものが多く、本来のローカルアジェンダ21からは遠い。ただ、日本の状況からいえば、ローカルアジェンダ21は法的な根拠がなく苦しい。日本のアジェンダ総合計画、基本計画、環境基本計画にローカルアジェンダ21として性格を入れ込むことが現実的かもしれない。
ローカルアジェンダ21として必要な事項は次の通りである。
ア 持続可能な地域社会の将来像を出きるかぎり具体的に提案する
イ 現状の地域社会が抱えている課題を分析、整理し提示する
ウ 課題を解決し、地域社会の将来像を実現するための事業、プロジェクト、活動を整理し提示する
エ 事業、プロジェクト、活動の推進、検証、評価システムを提示する
このようなローカルアジェンダ21の作成過程と実施過程において必須となるのは、住民参画であり、日本の自治体おいても先進的な事例が現れはじめている。