報告:面白く!楽しく! お祭りのエコ化から地域づくりまで やってみよう!エコ地蔵盆 説明会開催 4/17 | 認定NPO法人 環境市民

報告:面白く!楽しく! お祭りのエコ化から地域づくりまで やってみよう!エコ地蔵盆 説明会開催 4/17

京都で毎年実施されるお祭り「地蔵盆」に、環境配慮の視点を取り入れることを提案した「エコ地蔵盆」。エコ地蔵盆を広げたいという思いで、4月17日、説明会を開催しました。

2011年6月13日

京都で毎年実施されるお祭り「地蔵盆」に、環境配慮の視点を取り入れることを提案した「エコ地蔵盆」。主な提案は二つ、①健康にも環境にもやさしい食べ物を提供しよう②できるだけごみがでない工夫をしようというもの。環境市民が町内と一緒に取り組みはじめ、今年で6年目のプロジェクトです。
さらに多くの町内でエコ地蔵盆を広げたいという思いで、4月17日、説明会を開催しました。会場の京都教育文化センター(京都市左京区)に集まった参加者は、地蔵盆を盛り上げたい!という思いを持った町内会の役員さん、区役所の方、大学生を合わせて21人でした。前半、エコ地蔵盆の提案やねらいを説明した後、実際に取り組んだ町内の二人の方をゲストスピーカーに迎え、取り組みのきっかけや工夫を紹介していただきました。

取り組みのきっかけ

一人目のスピーカーは、2006年に町内の役員になった長屋 博久さん(中京区天守町)。長屋さんは、地蔵盆の内容に、「エコ」の視点をいれると面白いかもしれないと思いついた、エコ地蔵盆発起人の一人。ごみを減らしたい、エコロジーという考え方を知ってもらいたい、多世代交流をしたいという想いからさまざまなプログラムを実行しました。エコバッグづくりや環境紙芝居の開催、福引き景品のおもちゃは脱キャラクター、自作で遊べるものにするなど、工夫を凝らした内容を考え、子どもたちが会場にいる時間を長くしたことで、大人たちも顔を見せるようになり、賑やかな地蔵盆になったことが紹介されました。

二人目は、2007年に町内会長になった高林 伸樹さん(北区大宮薬師山町)。約150人の子どもが集まる大規模な地蔵盆を実施しました。毎年の決まりきった内容に飽きていた上級生も楽しめる内容にしようとアイデアを出し合い、目玉となったのが、「自分たちの住んでいるまちを好きになりたい」という思いで企画した、町内のスタンプラリー。また、おやつは、地域のパン屋さんでつくってもらった添加物の入っていないパンにするなど、地域を巻き込んだ仕掛けもしました。
景品のおもちゃは、買い物好きなお母さんに、電気や電池を使わずできるだけ長く使えるものを購入してもらいました。お金をかけずに手間隙をかける、工夫する過程を楽しむ、それが「エコ」の楽しさだと取り組みを振り返って説明されました。

エコ=面倒くさい?を変えるコツ

後半は、エコ地蔵盆に取り組むステップについて、参加者全員で話し合いました。参加者からは、「地蔵盆の内容は役員の持ち回りなので、マニュアル化した引継ぎがないと実施は難しい」。「エコ=面倒くさい、お金がかかるという意識を変えるコツはあるか?」との質問がありました。高林さんは、エコの取り組みは “面倒くさい”と“楽しい”のバランスで、楽しいが上回るようになれば、取り組みに賛同する人が増えると説明されました。
コーディネーターの内田香奈(エコ地蔵盆チームボランティア)からは、継続して実施している町内の例として、新しく役員になった人が、前年度経験したエコ地蔵盆の面白さを覚えていて継続されたことが伝えられました。ゲストスピーカーのお二人のお話からは、たとえば、買い物好きのお母さんには買い物担当になってもらったり、地域のお店に協力を得たり、地域の人が適材適所で得意なことを活かしていくことで、面倒くさいも楽しいに変わり、地域全体を巻き込んだアイデアが生まれることや、プログラムを工夫することで、大勢が集える地蔵盆になることがわかりました。

エコ地蔵盆のエッセンス

最後に、町内それぞれの個性が発揮される地蔵盆に、環境のスパイスを入れて盛り上げてほしいこと、環境負荷を下げる取り組みを通じて、町内の人が自分の地域のことを考えて行動するようになっていくことも大事なポイントであることを伝えました。説明会終了後、参加者からは、「具体的なプログラム案から、楽しい町内にするコツまでを聞けて面白かった」との声があがりました。エコ地蔵盆は、環境という視点をきっかけに地域力を育てる効果があるという点で、地域のあらゆる行事に汎用できます。地域から社会を変えていく取り組みとして、ますます浸透させていきたいと思います。

エコ地蔵盆の提案や、町内の事例を紹介した冊子はこちらから

(文/事務局 岩崎 恵美子)