衆議院の解散総選挙に際して、私たちが求める政策と争点 | 認定NPO法人 環境市民

衆議院の解散総選挙に際して、私たちが求める政策と争点

2014年11月25日

現在、気候変動(地球温暖化)は日本でも洪水や酷暑などの被害が誰もがわかるまで進んできた。また、第6の絶滅時代と言われるくらいに生物多様性が損なわれている。私たち人類社会に大きな危険をもたらすこのような地球規模の環境問題に対して、国際社会では様々な対応が進み始めている。しかし、我が国においては、環境問題に関する抜本的な政策変更はなされず、国際社会での存在感も希薄になっている。また福島第一原発の過酷事故は、私たちがエネルギー選択の岐路に立っていることを明確にしめした。しかし、政府はエネルギー政策をあいまいにし、なし崩し的に原発再稼働を進めようとしている。

このような環境問題とともに、GDPの2四半期連のマイナス、正規雇用者の減少、15か月連続の実質賃金のマイナスなど、経済の低迷と先行きの見えない不安定化、貧困と格差の拡大がすすんだ。また、多くの国民が反対や疑問を呈する中、特定秘密保護法の制定、閣議決定での集団的自衛権の容認、沖縄辺野古の基地建設など、民主主義と平和に対する危機が深まっている。

まさに、環境、経済、社会という持続可能な社会の三要素とも大きな危機を迎えている状況にある。この12月に行われる衆議院議員選挙は、このような社会の根幹に関しての政策が問われる選挙であり、これらを争点(政策の明示化と投票の視点)として、全国民の選択を問うものとなっていると考える。各政党、候補者には、このような認識のもとに国民に対して下記のポイントについて、明確な姿勢と政策を出すことを求めたい。

1 IPCC第5次評価報告書にもとづき、温室効果ガス排出量を1990年比で2030年までに少なくとも40%以上削減する目標を立て、戦略的に政策を組み立てること
2 脱原発を進め、再稼働は認めないこと。再生可能エネルギーをより飛躍的なすすめるため、その高い導入目標の設定、関連する法的整備、社会システムの構築、財政的支援など、戦略的に政策を組み立てること

3 日本国憲法の主権在民、平和主義、基本的人権の尊重を擁護すること。そのため、秘密保護法を廃止すること、集団的自衛権を容認しないこと、辺野古への基地移設を中止し沖縄の基地負担を低減すること、排外的な民族主義とそれの具体的な現れであるヘイトスピーチに厳正に対応する法制度を整えること。

4 新自由主義的な経済政策ではなく、すべての国民が憲法で保障する健康で文化的な生活をおくることができる、社会的格差を是正する経済政策に転換すること。また環境、健康、食糧自給に大きな脅威となるTPP交渉から離脱すること

5 NPO活動の自発性、公共性を尊重し、その活動のサポートとなる法制度、税制、助成政策をNPOと共同で進めること。また政策立案、実施にNPO等の市民組織と協働を本質化する政策をすすめること。

2014年11月25日
NPO法人 環境市民
(代表 杦本育生)

※本件につきましては環境市民(電話:075-211-3521、メール:life@kankyoshimin.org)までお問い合わせください。