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報告:子どもとおもちゃの関係から日本の未来を考える!
東北地方太平洋沖地震の発生した翌日の3月12日 (土)の午後2時から、京エコロジーセンター(京都市伏見区)にて地震の被害にあわれた方に思い を馳せつつ、環境市民主催の講座、野の塾「使い捨てられるヒーローたち 〜小さな消費者にされる 子どもたち〜」を開催しました。
東北地方太平洋沖地震の発生した翌日の3月12日 (土)の午後2時から、京エコロジーセンター(京都市伏見区)にて地震の被害にあわれた方に思い を馳せつつ、環境市民主催の講座、野の塾「使い 捨てられるヒーローたち 〜小さな消費者にされる 子どもたち〜」を開催しました。参加者は18人。 大学生から年配の方まで幅広い年齢の方が参加されました。講師は環境市民の堀孝弘事務局長。日本の子ども向けアニメ番組やおもちゃをテーマにドイツのおもちゃ屋さんとの比較を紹介しながら、子どもとおもちゃの関係、また、大人としておもちゃと子どもの関係をどうすべきかについて参加者と一 緒に考えました。
素敵なおもちゃ屋さん
堀事務局長は1994年、ドイツの流通企業の環境 対策を視察しました。その際、訪ねたどのまちの 中心街にも、素敵なおもちゃ屋さんがあることに 気づいたそうです。おもちゃ屋さんは、個人経営 が多く、それぞれのお店が異なる商品を扱ってい ました。キャラクター玩具や鉄砲などの戦争おも ちゃ、電子ゲームはほとんどなく、家族と一緒に 遊ぶボードゲームが多く販売されていました。
日本は……?
日本のおもちゃ屋さんの多くは今や、ショッピン グモールの中にあり、子ども向けアニメ番組と連 動した、たくさんの武器や変身グッズを販売しています。そして、そうしたおもちゃの多くは気づ けばアニメのストーリーの展開にそって登場して は消えています。
小さな消費者を生むビジネスモデルとは
堀事務局長は日本のおもちゃとアニメの関係に疑問を抱き、調査をしました。その結果、現在、約半数のアニメ番組の スポンサーがおもちゃメーカーで、番組制作の現場では、おもちゃメー カーを交えて企画会議がされていることがわかりました。「いかに多くのキャラクター玩具を売る か」について検討された上で、ストーリーが決ま り、最終的な製作開始のゴーサインを出すのは、 おもちゃメーカーだそうです。また、子どもの人 気を得るために、前作より激しい戦闘シーンを登 場させ、暴力的な部分を補うために「愛や友情、 正義」という言葉が多用されていると説明しまし た。
親として、消費者として
最後に、こうした現状に対して、大人として親として、どのように対応すべきかについて事務局 長の堀から提案がされました。子どもの教育に問 題のありそうな番組があっても、全く見せないわけにもいかないかもしれません。その場合は、たとえば、他に良い番組や絵本を中和剤として見せ たり、スポーツ等に関心を向けさせることも一つ の方法です。また、おもちゃを買っても、もっと いいものにしていくために消費者がおもちゃやア ニメを評価して、声をあげることも大切であると語りました。参加者からは「宮崎駿の映画は良 い」「海外ドラマのフルハウスは良い」「ゲームソフトも過激になっている」「消費者側の発信の 方法、場所が分からない」などたくさんの意見や 質問が寄せられました。一人の大人、消費者とし て、社会の宝である子どもの大切な未来を考える 有意義な時間でした。
(まとめ/ニュースレター編集部 上山 裕継)